麻薬中毒者がタイ全土から集まる寺院に潜入取材! ゲーゲー吐かせて浄化するまで全公開!
2017.03.18 14:00
外国人も3人いた。女性がひとり、男性がふたりだ。アメリカ人イギリス人の彼らはタイに長く住んでいて、ヘロインやコカインにハマってしまった。なんとか抜け出したく、この寺の噂を聞いてきた。外国人の入所志願も少なくなく、一部の人は施設の素晴らしさに感動し、出所後、ボランティアとして残ったり、出家して僧侶になることもある。
元は僧院だったことから今でも僧侶や尼僧の数が多い。朝は僧侶がまず食事をして、余ったものを入所者が食べる。
タムグラボーク寺院にはここで暮らす僧侶たちが自ら作った巨大な仏像がある。
年間1000人くらいがここに来て去って行く。ただ、受け入れは生涯に1回だけ。元の生活に戻り、再び麻薬に手を出したら、治すと決意してきた言葉がウソになる。ウソつきは仏も許さないのだ。そして、実際に100%が完全に治癒するわけではない。出所時には止めると決意しても、地元で悪友にそそのかされて負けてしまう人もいるのだ。
奉仕活動には境内の掃除、仏像製作、薬草畑の管理などがある。
入所時に納めた1日200バーツ分(約600円)の費用は毎日クーポンとして戻される。境内の売店だけで使え、ほとんどの人が食べものを買うだけに遣う。
タムグラボーク寺院では今日も患者を受け入れ、また誰かが出所していく。そして、その先にまた彼らは自分との戦いが待つ。一度麻薬に手を出したら最後、断ち切るには強い意志が必要だが、必ずしも決意だけでどうにかなるものでもない。厳しい現実が最後まで彼らを追いかけてくる。
(写真・文=高田胤臣)
タイの集団生活の基本である国旗掲揚と降納、国歌斉唱が朝8時と夕方6時に行われる。
タイでは全土的に存在する、タイ伝統医学を基にした薬草サウナ。発汗を促し、身体を内側からきれいにする。
サウナ前には漢方茶を飲む。これは吐くほどの苦さはない。
麻薬を断つことで食欲も出てくる。また、特に娯楽があるわけではないので、食事は唯一の楽しみでもある。
食後は僧侶の分の皿も洗う。アルコールやニコチン依存の更生施設と違い、麻薬患者の施設は外出も制限され、この皿洗い、サウナ、奉仕労働のとき以外は外に出られない。
胃の中に煮汁が残らないように吐き続ける。これが1日に2回もあり、最初の5日間を過ぎるとみんな安堵するという。
僧侶の食事が終わるのを待つ人々。写真の彼らは麻薬中毒ではなく、アルコール依存症者やニコチン依存症の人。別の敷地でこういった更生施設もある。
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