英企業が「完全なるマトリックスの世界」構築へ、SBが5億ドル出資! 未来人の思惑か…シミュレーション仮説が現実に
現実とまったく見分けがつかないデジタルなバーチャルワールドの“創造”に本腰を入れて取り組む有望な企業が話題だ。その目的は“マトリックス”を作り上げることだという。
■大規模のバーチャルワールドを作り上げる事業が本格始動
先日、小雨が降る夜の道を傘もささずにスマホを凝視しながら平然と歩いている人を見かけて、今の人類に何らかの変化が確実に訪れていることを痛感したのだが(!?)、“歩きスマホ”というのはある意味で当人が肉体を忘れている状態だ。
現実の生活の中での“歩きスマホ”は物理的なリスクを伴うものだが、ならばいっそのこと、デジタルなバーチャルワールドの中に入ってしまえば、何の心配もなく完全に肉体を忘れて歩きまわれるだろう。そして今、大規模なバーチャルワールドを作り上げる事業が本格的に始まっている。
イギリス・ロンドンのITベンチャー「Improbable」は、映画『マトリックス』のような壮大な規模のバーチャルワールドの構築に本格的に着手している。世界を丸ごと電脳空間に変える“世界シミュレーション”計画とも呼べるこのプロジェクトに、少なくない数のビジネスリーダーが将来的に有望であると見込んでいて、日本のソフトバンクからも5億200万ドル(約570億円)の出資が行われている。
現在でもオンラインビデオゲームの世界では、広大なバーチャルワールドを舞台に多くの参加ユーザーが仮想の“第2の人生”を送っているが、Improbableはこうしたゲームとはレベルが格段に違うほとんど現実と見分けがつかない3Dのバーチャルワールドを“創造”するということだ。
具体的には現在のオキュラスリフトのようなVRヘッドセットを用いるシステムで、OSには同社が開発した「SpatialOS」が使われているということだ。SpatialOSは膨大なデータを扱うことに長けており、ビデオゲーム以外にも防衛、経済、交通、エンターテインメントの各分野にも活用できるという。
「我々が目指しているのは大規模なバーチャルワールドを作り上げることです。基本的には映画『マトリックス』の世界を作ることです。コンピューティング技術における次の主流は大規模なバーチャルワールドにあると我々は確信しています。これは人間の経験を豊かなものにし、我々の現実認識に変化を及ぼします」と同社CEOのハーマン・ナルラ氏は英紙「Daily Mail」の取材に回答している。
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