ロシア最恐9人怪死の未解決事件「ディアトロフ事件」の仮説7つ! 放射線まみれの衣服、舌や目のない死体、謎の発光体…
■7つの仮説を検証
この事件には多くの謎がある。
まず、雪山登山の経験豊かな若者が、なぜテントを中からナイフで切り裂いて脱出したのか? それでありながら彼らは外に出てからは急いだ行動はせず、走ったりはしていなかったことを足跡が示している。
そして女性のドゥビニーナの目と舌はなぜ、無くなっているのか? なぜ数人は薄着で、靴を履いていないのか? また数体の遺体はなぜ自分の物でない、他のメンバーの衣類を着ているのだろうか? 当時ホラート・シャフイル山とその周辺地域には、9人以外のほかの人間がいた形跡は無かった。
いくつもの説が唱えられては消えていった。すぐさま打ち消された説を列挙してみる。
1. 熊の襲撃説
餌を探している野生のクマの襲撃説。しかし動物の足跡は見つからなかった。
2. 原住民説
ロシアのチュメン地域の自治区に住む先住民のマンシー族が犯人ではないかという説。しかし、彼らが学生のグループを襲う理由が無く、また捜索隊が現地に着いた時、彼らの全財産はテントに残されていた。
3. 雪男説
ウラルの山には、恐ろしいゾロタヤ・ババ(金色の女性)が潜んでいるという伝説がある。しかし雪男が現れた場合、テントを中から切り裂いて外に出るのは不自然だ。また雪に残された足跡は、8人ないし9人のものしかなく、暴力の痕跡も無かった。
そして、次はより信ぴょう性が高いと考えられている説だ。
4. 雪崩説
雪崩に巻き込まれたという説。しかし、テント上には雪崩の兆候は全く見られなかった。またテント設営時に彼らが雪上に立てた道具があったが、捜索隊が来た時に、それは倒れておらずそのままの状態だった。このことから、雪崩があったとは考えにくい。
5. UFO説
同時期にその地域にいたハイカーのグループが、北空の夜空に奇妙なオレンジ色の球体を見たと報告している。同様の球体は異なる証人(気象サービスと軍隊も含む)によって、2月から3月までの間に隣接地域一帯で連続して観測されている。またテントで見つかったカメラのフィルムを現像したところ、最後の写真は夜の空に浮かぶ巨大な閃光をとらえているように見えるという。
6. ロシア軍の秘密基地説
軍がこの地域で秘密裏に核実験や兵器の開発をしているという噂が、以前からあった。軍のミサイル実験や低速ジェットが衝撃波や騒音を出し、ディアトロフ一行をパニックに陥れたという説である。これは、グループの2人の衣服が高い線量の放射線で汚染されていたことの説明にもなり有力である(この2人はプルトニウム工場や実験室での勤務経験があったという説もある)。
7. テント内の火事説
テントには料理用ストーブが備え付けられていた。これは外に突き出た排気管をストーブ使用後に分解する仕組みで、グループのリーダーのディアトロフが自分で造ったものであった。事件のあった夜、排気管を取り外した後に何らかの理由でストーブが再燃した可能性はある。煙は数秒でテントに充満し、彼らはパニックになり、炎と煙を消そうとしてテントを切り裂いて脱出した。彼らの遺体には火傷の痕があり、衣服が燃えている者もいたことから、この説はかなり有力と思われている。夜間、外に逃げ出したほとんどのメンバーは裸足もしくは薄着で、そのために低体温症で死亡したというものだ。しかしグループのうち3人は低体温症ではなく、何らかの衝撃によって外傷を受けて死亡している。
この事件をさらに謎めいたものにしているのは、ロシア当局による何らかの隠ぺい工作があったと思われる点である。元調査官レヴ・イヴァノフは1959年に行われ、1990年に公開された公式審問記録で、「飛ぶ発光体を見たという証言を報告後、組織の最上部からこの調査委員を解任された」と証言している。またウラル山脈ではロシア軍が秘密実験を行っていたという噂も絶えない。
なぜ、ハイカーたちの死に当局は隠ぺい工作をはかったのか。この謎が解ける日は果たして来るのだろうか。
参考:「EWAO」、「Daily Mail」、ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊ロシア最恐9人怪死の未解決事件「ディアトロフ事件」の仮説7つ! 放射線まみれの衣服、舌や目のない死体、謎の発光体…のページです。UFO、スキー、ミステリー、登山、遭難、雪山、三橋ココ、ディアトロフ峠事件、未解決事件シリーズなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで