スサノオを祀る神社は被災を免れていたことが判明!! 神社と津波にまつわる禁断のミステリーに迫る!
■古の教えを無視したフクイチの立地
歴史を通じて何度も津波の襲来を経験してきた海沿いの地域には、本来、その被害を免れるための知恵を与えてくれるような伝承が数多く残されている。そのような先人たちの知恵を受け継いで守ってきたところは津波の被害を免れ、反対に忘れ去られてしまった地域で多くの被害が出たという実例は多数ある。
画像は「Wikipedia」より引用
岩手県宮古市姉吉地区では、明治29年と昭和8年の三陸海岸大津波で多くの人々が命を失ったが、その記憶を風化させないために石碑が建っている。そこに刻まれているのは「高き住居は児孫の和楽 想え惨禍の大津浪 此処より下に家を建てるな」の文言。そして現在も、この石碑より下には1軒も家がなく、3.11の大津波でも全住民が難を逃れた。
津波の被害を地名として伝える土地もあるといわれる。地名研究家の楠原佑介氏の著書『この地名が危ない』(幻冬舎)によると、悲惨な原発事故を起こした福島第一原発も、実は(地名という観点から)問題がある土地に建てられていたのだという。福島第一原発がある一帯は、古代の郷名で「標葉」(しねは)と呼ばれたが、この「標」の文字には、“災害が起きるために立ち入りを禁止した場所”という意味が含まれているというのだ。時代の移り変わりとともに地名は「双葉郡」と変えられてしまったが、このような事実を踏まえて原発立地の妥当性が検討されていたら、原発事故は防げたのかもしれない。
画像は「Wikipedia」より引用
さて、話は東工大の研究に戻るが、同グループはその後、西日本へと調査対象を広げて南海トラフ地震などによる津波被害リスクも調査している。その結果、四国の沿岸部にある神社では、高知県で555社、徳島県で308社が津波を回避し得る立地にあることがわかったという。南海トラフ巨大地震の津波想定では、もっとも早いところで地震発生の数分後には津波が押し寄せてくるという。このような被災リスクがある地域において、前述のような神社が近くにあるならば、「揺れたらすぐに神社へ逃げろ」と呼びかけることも重要だろう(もちろん、必ずしも津波の難を逃れるというわけではないので、事前に立地を調べておくことも大切だ)。
いずれにしても、今回紹介した事例は、古くから地域に脈々と受け継がれてきた伝承がいかに重要で、尊いものであるかを思い知らされる話である。自分が住む土地の地名や、神社の社名・祭神の由来を知ることは、時としてあなた自身や大切な人を守るための大きな力となるということを覚えておこう。
参考:「東日本大震災の津波被害における神社の祭神とその空間的配置に関する研究」、「日刊SPA」、「お写んぽなう」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊スサノオを祀る神社は被災を免れていたことが判明!! 神社と津波にまつわる禁断のミステリーに迫る!のページです。神社、原発、百瀬直也、東日本大震災、津波、地震、スサノオ、東京工業大学などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで