「シュレーディンガーの猫」、箱を開けなければ不老不死だった! 「量子ゼノ効果」の謎すぎる実験結果が証明!
朝の忙しい時間に、せめてお茶の一杯でもとヤカンを火にかけると身支度をしている間にアッという間に沸騰するが、休日にカップラーメンでも食べようとキッチンでヤカンを火にかけ、新聞やスマホなどを眺めながらお湯が沸くのを待っていると、いつになく長く感じることがある。気のせいと言ってしまえばそれまでなのだが、なんと量子論的にはそれは決して気のせいではなかったのだ!?
■頻繁な“観察”で生じる量子ゼノ効果とは?
生きているということは死んでいないことであり、死んでいることはもはや息をして生きていないことである。普通に考えて生と死とは相いれない正反対の状態だが、量子論の世界では驚くべきことに生と死が共存した状態が存在する。
量子論でいうところの重ね合わせ(superposition)の状態とは、2つの状態が共存した状態であり、たとえ生と死という両極端の状態であっても共存することができるのである。
これを説明する有名な思考実験が「シュレーディンガーの猫」だ。確率50%で作動する青酸ガス発生装置を仕掛けられた箱に入れられた猫は、生死が共存した量子的重ね合わせの状態にあると定義される。箱の中にいる限り、この猫は生きてもいれば死んでもいるという存在なのだ。そして箱を開けて“観察”するという行為をもって、猫の生死が“決定”されるのである。
箱を開けた時に目にするのは、まだ生きている猫の姿か、あるいは残念ながら死んでしまった猫の遺体のどちらかだ。しかしもし生きていた場合、再び箱のフタを閉じるやいなや次の瞬間にまた素早くフタを開けて“観察”し、これをまさに電光石火の早業で繰り返したらどうなるだろうか。愛猫家にはうれしい話になるのかもしれないが、こうして素早く何度も観察することで、この猫は生きたままである可能性が高くなるというのである。
こうした頻繁に繰り返される観察や連続観測によって、重ね合わせの状態が損なわれて2つの状態のどちらかに固定される現象を量子ゼノ効果(quantum zeno effect)という。そしてこの量子ゼノ効果を説明するときに英語のことわざである「見つめられた鍋は煮立たない(A watched pot never boils.)」という語句がよく引き合いに出される。このことわざの本来の意味は、待つ身の側になれると時間が長く感じるという意味で、焦りは禁物という含意も込められているのだが、量子論的には“観察”を続けていると火にかけたポット(ヤカン)の水はなかなかお湯の状態にならないという、量子ゼノ効果をわかりやすく説明する喩えとして引用される。休日のカップラーメンのお湯がなかなか沸かないのも、単なる気のせいではないのかもしれない!?
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