太陽の10億倍明るいレーザー「ディオクレス」が爆誕! モノの姿を”完全に変質”させるパワーが判明!
ネブラスカ大学リンカーン校の研究者らが、太陽の“10億倍”明るいレーザーを開発し、物の姿を変形することに成功したとのニュースが舞い込んできた。
■太陽の10億倍明るいレーザー
オンライン科学ニュース「Phys.org」(6月26日付)によると、研究チームは今月26日、科学ジャーナル「Nature Photonics」に研究成果を掲載。米国最高のレーザー装置の1つ「ディオクレス・レーザー」を物体に照射した結果、超高光度の光を物にあてることで、その姿をすっかり変質させてしまうことが分かったという。
「レーザー光を照射することで、モノの姿が変わったかのように見えるのです。通常は経験できないものです」(ネブラスカ大学リンカーン校ドナルド・アンスタッダー教授)
一般に、太陽や蛍光灯といった光源から発せられた光子が対象にぶつかり、物質中の原子核を取り巻く電子雲と相互作用することで、我々は物を見ることができる。その時、光源の明度は光子と電子が相互作用する仕方には影響せず、光子は電子とぶつかった後、一定のエネルギーと角度を維持するという。
今回アンスタッダー氏らは、ヘリウム中に浮いた個々の電子を太陽の10億倍の光度を持つ「ディオクレス・レーザー」で照射。通常、同時に相互作用するのは1つの光子に対し1つの電子であるが、実験では300億分の1秒の間に1つの電子を1000個の光子で“爆撃”することに成功したという。
■レーザー照射で物の姿が変質
この実験により、光子が電子とぶつかって、一定のエネルギーと角度を維持するには、ある閾値以下の光度である場合に限られ、閾値を超えると、光子の角度や波長が変わることが分かった。具体的には、超高光度レーザーが電子とぶつかると、上下に動くはずの電子のふるまいが変わり、8の字を描くようになるという。この動きにより光子が通常とは異なった拡散をすることで、物の見かけの姿が想像もできないような仕方で変わったということだ。
今後、超高光度のレーザーは、医学分野やセキュリティ分野への応用が期待されているが、レーザー技術には日常的な利用におさまらない活用法もあるだろう。以前トカナでもお伝えしたように、カリフォルニア大学の研究者は、地球に落下する危険性のある小惑星の軌道をレーザー照射によって変更する構想を発表している。これは太陽エネルギーを照射することで小惑星の一部を熱で蒸発させ軌道を変えるというものだが、太陽の10億倍の明るいレーザーならばその効果も絶大なのではないだろうか。いずれにしろ、今後の研究にさらなる期待が持てそうだ。
参考:「UNIVERSITY OF NEBRASKA–LINCOLN」、「Phys.org」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊太陽の10億倍明るいレーザー「ディオクレス」が爆誕! モノの姿を”完全に変質”させるパワーが判明!のページです。物理学、太陽、光、レーザー、光子、電子などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで