土星の月・タイタンに人類3億人が居住可能であることが判明! しかし“先住民”の痕跡(原発跡)も?
NASAとスペースX社によって、それまではSFのような壮大な夢だと思われた人類の火星移住計画が実際に動き始めている。しかし、火星ばかりに目を奪われてはならないことを指摘する専門家もいる。火星の次に検討したい有望な移住先に急遽浮上したのはなんと、土星の第6衛星であるタイタンだ。
■「人類の生息圏拡大のため最も重要な場所」
タイタンはガリレオ衛星(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)よりも後に発見されたものの、土星最大の衛星で直径は約5150kmあり、衛星でありながら水星よりも大きい。このタイタンが人類の移住先としてかなりふさわしいのではないかと言われ始めているようだ。
タイタンが移住先として有力候補である最大の理由は、この衛星自体が分厚い大気に覆われており、地表に液体メタンの湖があることだ。ほとんど大気がなく地表がカラカラに乾いている火星に比べても魅力的な環境にあるのがタイタンである。
「長期的視点から見て、火星到達後の人類の生息圏拡大のためにはタイタンが最も重要な場所でしょう」と語るのは、ジョンズ・ホプキンズ大学の宇宙科学者、ラルフ・ロレンツ氏だ。
環境だけではない。豊富に眠るエネルギー資源もまた注目を集めている。この資源のおかげで3億人規模の移住が可能になるということだ。
■豊富な発電オプション
移住するとなれば欠かせないのが電力だが、タイタンではいくつかの発電方法が考えられるということだ。
まずは潮力発電だ。タイタンの北極にはセルダン海峡 (Seldon Fretum)、またの名をクラーケン海(Kraken Mare)と呼ばれる大きな液体の湖があるのだが、起伏の激しい地形のせいで狭い海峡状になっているエリアがいくつもあるのだ。そして土星の強力な引力による激しい潮の流れがあり、狭い海峡の部分に潮力発電設備を設けることで、再生可能エネルギーが得られるのである。
次に風力発電だ。タイタンの地形から推察すると地表には強い風が吹いていると思われるが、土星探査機カッシーニに搭載され2005年にタイタンに投下された小型惑星探査機であるホイヘンス・プローブが収集したデータによれば、大気圏の上層部にも強い風が吹いていることがわかっている。この風を利用すべく空中風力発電機(Airborne Wind Turbine)を導入して発電できるということだ。「Planetary Science Institute」の研究員であるアマンダ・ヘンドリックス氏によれば、タイタンでの風力発電は地球上の10倍も効率が良いという。
またタイタンの地表の液体メタンから水素とアセチレンを取り出せば、単純に火力発電が可能である。
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2024.10.02 20:00心霊土星の月・タイタンに人類3億人が居住可能であることが判明! しかし“先住民”の痕跡(原発跡)も?のページです。月、火星、移住、仲田しんじ、タイタン、土星、宇宙開発などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで