“モテまくる修行僧”のエロ煩悩と妖女を描いた日本映画『仁光の受難』が海外で大絶賛の嵐!! 注目の新星・庭月野議啓監督インタビュー!
■キャスティング、資金集め… 苦難の連続が異色作を生んだ!
――今回の映画製作には、なんと4年もの歳月をかけていらっしゃいます。実際、私が庄内映画村(山形県)での撮影に参加したのも2012年のことでした。完成までにもっとも苦労したことは何ですか?
庭月野 いや、むしろ苦労しかなかったですね(笑)。まず、キャスティングはインターネットやツイッター、それからフェイスブックやミクシィ、ブログなどで集めましたが、女性は「ヌードになれる役者さん」、男性は「坊主になれる役者さん」という条件ですから、なかなか集まらないんです。ロケ場所にしても、時代劇をやるなら本当はセットではなく文化財のような実際のお寺で撮影したいと思ったのですが、企画書の時点で女性のヌード描写があることから断られてしまうんです。「いかがわしいビデオでも撮ろうとしているのでは?」と疑われてしまうんですね(笑)。
でも、やはり一番苦労したのは資金集めですね。2012年に庄内映画村や東京近郊で主要部分を一気に撮影しましたが、その後、追撮やポスプロ(撮影終了後に行われる作業の総称)の予算がなくなりました。外注もできないので、仕事をしてお金を貯めながら自分でVFXやアニメ製作を勉強したり、結局自分でできることは自力でやって、完成まで4年、(日本での)劇場公開まで5年かかりました。そのうち外国の映画祭をまわっていたのが1年ですが、海外に行く度に仕事を休んだり断ったりしていたので、やはりお金の工面が大変でしたね。ほとんどの映画祭は渡航費・宿泊費を運営側が持ってくれるものを選びましたが、釜山映画祭はエージェント探しの目的もあったので自費で行っています。
――海外で高く評価された理由について、どのような感想をお持ちですか? 感激もひとしおなのではないでしょうか?
庭月野 本当に思っていた以上の高評価で、ありがたいです。仏教の僧侶が主役でも、文化圏の異なる方々に楽しんで見ていただけたのは意外な喜びです。すべての人に共通する人間の本質を表現したつもりですし、浮世絵のアニメーションや江戸時代の村や山林の風景、そして女性の(芸術的な)ヌード描写など、ビジュアルに訴える面があることも理由かもしれません。そういえば、カンボジア映画祭では『ラ・ラ・ランド』と同じセクションに並びました。新人監督の作品なのにハリウッドの大作と平等に扱っていただいて、大変光栄でした(笑)。
――たしかに、『仁光の受難』では日本の自然がとても美しくて印象的でした。ふと野生のシカやサルが登場するなど、注目点はたくさんありますよね!
庭月野 自然の描写については、かなり意識していたことでもあります。カメラを持って、山奥に1人で入って撮影したこともありましたね。
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2024.10.02 20:00心霊“モテまくる修行僧”のエロ煩悩と妖女を描いた日本映画『仁光の受難』が海外で大絶賛の嵐!! 注目の新星・庭月野議啓監督インタビュー!のページです。ヌード、妖怪、仏教、心霊現象、怪談、僧侶、寺院、江戸時代、侍、仁光の受難、庭月野議啓、映画祭などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで