人間がヴァンパイアになりゆく病“ポルフィリン症”の研究 ポー博士「彼らが生き血を飲む原因は…」
ヴァンパイアをテーマにした作品は、欧米のみならず日本でも人気が高い。おそらく、美男美女が生き血を吸って不老不死を手に入れるという背徳感が、恐怖とともに常人には抗し難く映るのかもしれない。だが、この地球上には、現実に「他人の血を飲まずにはいられない」というショッキングな人々もいるのだ。
■ドラキュラのように血を欲するポルフィリン症

米オルタナティブニュースサイト「Mysterious Universe」(9月8日付)によれば、稀有な遺伝的欠陥が原因で、吸血行為を続ける疾患が存在するという。レンフィールド症候群、別名「ポルフィリン症(porphyria)」は、普通の人間でありながら生き血を吸う。いや、生き血をたしなむ点で、すでに人の道から外れるだろう。
米マサチューセッツ州ボストンにあるがん治療センター「The Dana-Farber/Boston Children’s Cancer and Blood Disorders Center」のバリー・ポー博士は、ヘモグロビンの権威として知られている。博士の研究によれば、患者が鮮血を飲むようになるのは、一族に代々伝わる遺伝子変異によるものであるという。彼は、この論文を「米国科学アカデミー紀要Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」に発表したというのだから、どれほど真剣に心血を注いでいるか想像に難くない。
この病の恐ろしいところは、血中のヘモグロビンを合成するヘムという物質の機能が正常に働かないため、わずかな太陽光を浴びても赤血球が壊れてしまい、皮膚が萎縮して赤くヤケドのように醜くただれてしまうことだ。

残念ながら、今のところポルフィリン症、中でも最も多いとされる「骨髄性プロトポリフィリア(EPP)」の治療には、太陽光を遮断し、定期的な輸血をするしかない。しかも、輸血技術が確立する前の時代には、なんと動物の血を飲ませていたというから、かなりグロい話だ。
■ポー博士「ポルフィリン症を根絶したい」
「EPPを発症した患者は、慢性的な貧血状態です。彼らは四六時中疲労感に襲われ、青白い顔をしています。歯茎がやせ細ることで牙が生えたような形相に見えることもあります。また、光線過敏症のせいで、直射日光のあたる場所で生活することは困難なため、必然的に夜間行動だけとなります」(バリー・ポー博士)
だが、これではまるで『ドラキュラ伯爵』そのものではないか!

また、ポルフィリン症患者は、生き血ほしさに犯罪に走ってしまうこともあるという。病院に忍び込み輸血バッグを盗んだり、ときには、生きている人間の身体から直接摂取(!)といった過ちもあったらしい。危険な人物といえなくもないが、考えてみれば気の毒な人たちだ。
ポー博士は明言する。「EPPは遺伝子疾患であり、たとえ患者に噛まれたとしても感染することはありません」と。
今、博士の研究チームはEPP患者に名乗り出てもらい、彼らの持つ遺伝子エラーを正して、最終的には病気を根絶したいと語っている。

まだまだ偏見も多い病気だが、EPPをはじめとするポルフィリン症患者のQOLを改善するためにも、革新的な治療法が待たれるところだ。
参考:「Mysterious Universe」、「Huffington Post」、ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
- 人気連載
小池百合子のこれまでのスパイ活動を「元小池担当」が徹底暴露! 師匠、愛人、総理、公安、ジャパンハンドラー…ジェームズ斉藤!
【連載:某国諜報機関関係者で一切の情報が国家機密扱いのジェー...
- 人気連載
暴力描写が過激ぎて欧米で上映禁止! 壮絶リンチ、耳切り、残酷すぎる人体損壊の名作『続・荒野の用心棒』
――絶滅映像作品の収集に命を懸ける男・天野ミチヒロが、ツッコ...
人間がヴァンパイアになりゆく病“ポルフィリン症”の研究 ポー博士「彼らが生き血を飲む原因は…」のページです。がん、ヴァンパイア、遺伝子、ドラキュラ、吸血、佐藤Kay、難病などの最新ニュースは知的好奇心を刺激するニュースを配信するTOCANAで
- 超日本
- 東京五輪で行われる競技は9種類のみ!?IOCの思惑と陰謀!
- 超海外
- 全米最恐都市伝説「ディブク箱」とポスト・マローン
- 超科学
- 臨死体験は「脳の酸素不足」ではない! 博士が解説
- 超異次元
- 全米最恐都市伝説「ディブク箱」とポスト・マローン
- 芸能
- 井上咲楽の「TENGA」柏木由紀「マンクロコウ」恥ずかしい誤答
- 超刺激
- 13000ボルトの電線に触れた男、「火花と煙」が噴き出して即死
- 超ART
- 過激な描写で各国上映中止『殺しが静かにやって来る』
- インタビュー
- 「人工地震や気象兵器は存在する」元国会議員・浜田和幸が断言!
- イベント
- 現代美術の最前線を2日間で完全解説する前代未聞のイベント開催
- TV
- トカナ配給映画『野良人間』ヤバすぎる予告編解禁!!
- STORE
- Rockin’Jelly Bean×橋本梨菜×TOCANAコラボTシャツ爆誕