上とともに名越啓介写真集『Familia 保見団地』(世界文化社)より
――すぐに仲良くなれましたか?
名越「撮った写真をあげるようにすると喜んでくれて、また撮らせてもらってを繰り返して関係を築いていきました。最初の頃は学校帰りの中学生を撮ってたら通報されて、パトカーが来ちゃって変質者扱いなんてことも(笑)」
――現場と一体化してきたのはいつぐらい?
名越「結構時間がかかりましたね。1年半くらいして、いつもいるはずの僕がいないと『なんであいつはいないんだ』っていわれるようになってから。一番印象深いのは、写真集出版後に名古屋の写真展会場でトークショーがあって、みんなが来てくれたこと。そういうときが一番嬉しい。距離が縮まった感じ、理想的な形で『ファミリア』というタイトルにぴったりの状況が出来上がりました」