上とともに名越啓介写真集『Familia 保見団地』(世界文化社)より
――撮影のポイントはなんでしょうか?
名越「彼らとずっといたから、仲良くなれたんじゃなく、彼らは初めからオープンマインドだったんです。だから、彼らと素直に接していれば、赤ちゃんの出産も、少年院行きの家庭裁判所も、学校の卒業式も何でも撮らせてもらえました。そんな状況をそのまま受け入れていくことですね」
――途中でスランプはありましたか?
名越「今回は自分の部屋を借りてちゃんと住んだわけですから、基本的に暇だし、殺風景な巨大な刑務所みたいなところでしょう。何もない日常をどう写真に撮るかというのが大きな問題でしたね」