進化論の祖・ダーウィンは近親婚していた! 悲劇、遺伝子疾患、形態異常…世界的に有名な“タブー近親婚”の4事例!
近い親族関係にある者同士で結婚する近親婚。多くの国ではタブーとされているが、禁止される「近親婚」の定義は国や文化によって異なっており、絶対的タブーとされるケースは現代でもよく見られる。また、過去を振り返れば、現代の感覚では完全にアウトな家族関係が各地に存在していた。タブーだがどうにも興味深い近親婚について、いくつか有名な事例をご紹介しよう。
■進化論の父も近親婚をしていた!?
著書「種の起源」で有名なチャールズ・ダーウィンは近親婚を行っていた。妻エマは陶磁器で有名なウェッジウッド家の令嬢で、エマの父とダーウィンの母は兄弟だった。つまりエマはダーウィンのいとこにあたる。ちなみにダーウィンの姉とエマの兄も結婚している。
いとこ婚のデメリットについては諸説あるが、一般には先天異常の確率が上がるといわれている。共通祖先から伝わった潜性(劣性)の遺伝子が発現しやすいため、子供に先天性の病気や奇形が発生する確率が、血縁関係にない父母の子供よりはるかに高いのだ。イギリスではパキスタン系移民のいとこ婚が増えており、先天性の病気を持つ移民の子供が増えているという。ただし、いとこ婚の子供のリスクは1~2%上がるだけという調査結果も存在する。
生物学の大家として、ダーウィンは近親婚の弊害を理解していた。夫妻の間には10人の子供が生まれたが、そのうち二人は幼くして死去しており、近親婚が原因ではないかとひどく怯えていたという。だが、無事成長した息子たちは医師や学者、実業家などに成長している。
ところで、いとこ婚は近親婚なのか? と疑問に思う方もいるだろう。日本ではいとこ婚は合法であり、菅直人元首相など著名な人物もいとこ婚をしている。安倍晋三首相の祖父・岸信介とその弟佐藤栄作もいとこ婚をしていたことで知られる。日本では歴史的にも文化的にも、いとこ婚はそれほど珍しくない。
アジアや中東の多くの地域においても、いとこ婚は広く行われている。イスラム教ではムハンマドがいとこ婚をしていたこともあり、現代でもいとことの結婚が推奨されている地域が存在する。しかし、カトリックでは時代によっても異なるが、5〜8親等以内での結婚を禁止していた。そのため、欧米ではいとこ婚はしばしば近親婚だと批判されており、いとこ婚を禁止する国や地域も多い。
■古代エジプト王家と近親婚
近親婚のメリットは親族間の結束を強めるとともに、財産や権力の拡散を防ぐことにあるといわれる。古代エジプトの王族も近親婚を繰り返していたことで有名だ。黄金のマスクで有名なツタンカーメンも妻アンケセナーメンは異母姉にあたる。なお、彼女はツタンカーメンと結婚する前に、実の父アメンホテプ四世と結婚して出産していたといわれる。近年の調査では、ツタンカーメン自身の両親も同父同母のきょうだいであったことも判明している。
近親婚は古代エジプトでは珍しくないとはいえ、ツタンカーメンの属する第18王朝はとりわけその傾向が強い。神の血筋と権力を守る為の措置だったといわれるが、そのリスクはいとこ婚の比ではない。実際、ツタンカーメンには足に先天性の形態異常があったという。また、彼の墓からは胎児のミイラが見つかっているが、妻との間にできた子は無事に生まれることができなかった。続く第19王朝のファラオたち(その中にはかのラムセス二世もいる)に、彼らの血はつながっていない。
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2024.10.02 20:00心霊進化論の祖・ダーウィンは近親婚していた! 悲劇、遺伝子疾患、形態異常…世界的に有名な“タブー近親婚”の4事例!のページです。近親婚、ダーウィン、吉井いつき、カウイケアオウリ、ハプスブルクなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで