片頭痛が半減する画期的新薬「エレヌバム」が来年にも市販か! 科学者「20年ぶりの最大級のブレークスルー」

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 エレヌバムはモノクローナル抗体(monoclonal antibody)の一種で、人工的に生成されたCGRP(calcitonin gene-related peptide)というタンパク質が主成分である。エレヌバムを注射することで、頭痛と吐き気を大幅に緩和できるという。

 臨床実験では955人の参加者を3つに分け、Aグループにはエレヌバム70mgを処方し、Bグループにはその倍の140mg、そしてCグループにはプラセボ(偽薬)を処方してその効能を比較検証した。

 分析の結果、A、Bどちらのグループにも効果が認められた。Aグループの43.3%とBグループの50%の患者においてひと月の頭痛の回数が半分に減ったことが確認されたのである。そして副作用の症状はまったく報告されなかった。

 また、医薬品大手テバファーマが開発したエレヌマブに類似した抗体であるフレマネズマブ(fremanezumab)を慢性片頭痛の患者1,130人に対して処方したところ、被験者の約41%は頭痛に襲われる日が半減したという。


■「20年ぶりの最大級のブレークスルー」

 エレヌバムを販売するのはノバルティスファーマとアムジェンの2社であるが、テバファーマ、イーライリリー、アルダー製薬の3社からもエレヌマブに極めて類似した頭痛薬が販売される予定だ。前2社のエレヌバム製品のチェックは最終段階に入っており、その後引き続き3社の製品が検査される手筈になっている。

 ややネックに感じられるのは価格だ。まだ正式に発表されてはいないが、エレヌマブの1年分の処方で8500ドル(約96万円)という価格が見込まれているようである。しかしこの価格はおそらく販売開始初期にとどまり、数社から市販されることで価格競争が起りすぐに値段が下がるものと見込まれているようだ。

「NHS(英・国民保険サービス)と患者の側に立てば、数社の製薬企業が競い合って将来的に価格を下げることはとても良いことです」と検査に関わっているキングス・カレッジ・ロンドンのピーター・ゴツビー教授は語る。

 ゴツビー教授によれば、既存の治療法がまったく効かないおよそ50万人の患者に最初にこのエレヌバムが処方されると推定できるという。そして価格が下がるほどに利用者数が増加するということだ。

エレヌマブはこの分野での20年ぶりの最大級のブレークスルーであり、現在すべての関係者と協力して、片頭痛の効果的で有効な治療法を受ける選択肢を用意することに取り組んでいます」とノバルティスファームの科学部門主任、ディミトリオス・ジョージパウロス氏は語る。

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Daily Mail」の記事より

 先進各国で頭痛を訴える患者は考えられているよりも多く、労働生産の現場において頭痛による欠勤やパフォーマンスの低下が大きな経済損失になっているともいわれている。それだけに20年ぶりの画期的な新薬といわれるエレヌバムに大きな期待が集まっているようだ。
(文=仲田しんじ)


参考:「Daily Mail」、「Quartz」、ほか

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