「哲学の毒」を哲学ナビゲーター・原田まりるが語る! 哲学が分かれば尾崎豊が分かる!?
――そもそもアイドルのころから哲学にも興味はあったんですよね?
原田 もともと作家になりたいと思っていて、アイドル活動をしていたころから文芸の賞に応募したりしていましたね。最初の本のオファーがきたとき、作家活動に専念しようと芸能事務所を辞めたんです。人生の岐路では損切りすることが大事と学びました!
――今回『まいにち哲学』を出そうと思ったキッカケは?
原田 最近は哲学ナビゲーターとして知られてきて、周りの方からも、気持ちが楽になったり、悩みが消えるような哲学はないかと相談されることが増えました。そんなときに哲学を知らない人でもハッとする言葉をいつでも読めればいいなと思ったんです。
1日ひとつの哲学格言なら、カジュアルに哲学に触れることができるし、それで悩みが解決できたり、気持ちが楽になってくれたら嬉しいなと思います。
――格言を選ぶときの基準はどんなものですか?
原田 現代の人に刺さる言葉を意識しましたね。逆に、英米の分析哲学系はほぼ除外しました。また、それぞれの哲学者の格言の解説をポエミーにしないように気をつけました。
――分析哲学?
原田 たとえば、分析哲学の一分野である言語哲学を噛み砕くとですね。「寒いね」という言葉には異なる2つの意味があると捉えて、ひとつは字義通り「寒い」を伝えている意味と、もうひとつは「寒いから暖房をつけよう」という意味があると考えたりするんですね。
そういう哲学からも、いくつか格言を選んでみたのですが、これを知ったところで生活の悩みは解決できないだろうし、「これは読者層が求めているものとは違うぞ」と思い直し、外しました(笑) 哲学者の名でいえば、イギリスのジョン・L・オースティンなどが言語哲学系ですね。有名なルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインも言語哲学系に分類されることがありますが、知りたいと思える格言を語っている言語哲学者は彼ぐらいでしたね……。
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