姫乃たまの「スピリチュアル嫌い」第2回

【姫乃たま×プリミ恥部】「気を使ったら即死」人は気を使った時に大事な何かを失う

●気を使わずに、愛を使って生きよう

 しかし不思議なのはプリミ恥部さん自身です。宇宙マッサージに気がついた時のエピソードもそうですが、いまもお客さんの視線や、何にも乱されない立ち居振る舞いが、私には羨ましく、もはや奇妙ですらありました。

 プリミ恥部さんは「気を使ったら即死」だと言います。一体、私は一日に何回死んでいるんだろう。

「大人はいろいろ常識に縛られているので、それに合わせてこっちも気を遣わないといけないのかなって思いますよね。でも気を使ったときに自分の大事な何かが失われる感じがすると思うんです。自分を置き去りにして物事を進めてしまうことがあると思うんですけど、それって死んでますよね? ストレスが溜まって病気になるのは、魂が宇宙に帰りたがっている証拠です。逆に言えば病気は宇宙にもどれる、宇宙からの愛のギフトです。地球に来て、生きているのに、死んでしまったら楽しめない。だから地球にきた本来の意味に立ち返るためにも病気になる」

 この考えに至った背景には、プリミ恥部さんの母親との関係があります。

「ボクの母親は目が悪かったのもあって、人との付き合い方があまりうまくなく、もともとの性格もあるとは思いますが、結果、あまり周囲に合わせず、我が道を行くことができていました。ボクが小さかった頃も、普通だったら子どもが歩くペースに合わせるのに、自分のペースでどんどん歩いていってしまうのが、強烈に印象に残ってるんですけど、それがボクにとって良かったんだと思います」

 人は通常、まず生まれた家の環境に合わせて成長して、学校などの社会に出てからはますます周囲に適合して生きていきます。プリミ恥部さんの場合、母親が自分のペースを優先して、ある程度放っておいてくれたことが、自分自身が生まれて来た理由に気づけるきっかけになったそうです。

「ボクの場合は愛に生きること。そのために生まれてきたことがわかります。地球っていまだったら長くても100年くらいしかいられないわけですし、地球に自分が何をしに来たかって、みなさんどれくらい意識されたことあるかわからないですけど、ボクは地球にいる間はとにかく愛のことをするべきだっていうのが今のところ1番腑に落ちるんです。というか、今のところ愛のことでしか人生が成立しないのです」

【姫乃たま×プリミ恥部】「気を使ったら即死」人は気を使った時に大事な何かを失うの画像2『気をつかわずに、愛をつかう――矢作&プリミ「宇宙愛」対談』(アーバンプロ出版センター)


 愛というのも知っているようで、よく考えると宇宙より漠然としていますが、喜怒哀楽、そして憎しみ、すべてにつながる強い力を持った感情だと思います。豊かに生きるために欠かせない要素であるとも思います。

 プリミ恥部さんの言う「愛」は、一般で使われる愛と異なるのかもしれませんが、豊かなエネルギーであるという点では変わりないでしょう。

「フリーエネルギーって発明した人が抹殺される歴史があるんですけど、ボクは表立って愛のエネルギーを使う活動ができています。ただしボクが感じるところによると、フリーエネルギーって欲望とセットで使うことが宇宙的に許されてないんですね。だからボクが愛でなかったら、それこそ即死で、抹殺されるかもしれませんよね」

 ……この恐ろしげな啓示が、プリミ恥部さんが乱されない一番の秘密なのかもしれません。

 私もスピリチュアルというと、見えないものを信じさせることで、何かを買わせたり、お布施を払わせたり、最終的にお金儲けをしている印象がありました。どうやら、想像していたものと違うみたいです。

「宇宙マッサージはどこでもできます。みなさんも今日、ここに来るまでに電車とかいろんな場所を通ってやって来たと思いますけど、大自然の中とか、特定のスペースでなければできないようなことは意味がないです。ただ癒やして終われば、日常に戻ってストレスが溜まって、また癒やすしかありません。普段いる場所で愛のエネルギーを使いこなしたり、ストレスを感じる場所で脱力したりすることができるように、愛のエネルギーを使えるようにしていくのが宇宙マッサージです」

 プリミ恥部さんが提唱している「愛」や「宇宙」について考えてみると、言葉の壮大さとは裏腹に、私の日常にも広がっていた身近なもののようです。

 宇宙マッサージは、存在していたけど気づいていなかった愛のエネルギーを使えるようにするためのもので、つまりもう豊かなエネルギーは私の周りに存在しているわけで、だからこれは自分が生きている現状をどう捉え直すかというか……えーっと、と、頭でぐるぐる考えていたら、プリミ恥部さんから、「宇宙と繋がり始めていますね」と今回の宇宙マッサージの感想を伝えられました。

 まだ、完全に理解できていないけど、いつかわかるような感触がありました。何かが、始まる予感がします。

<今回のゲストは…>
●白井剛史(プリミ恥部)
7年間で約3万人に宇宙マッサージをしてきた。宇宙LOVEの歌を歌い、最新アルバム『UFOPIA』では、「このCDを聴いているときだけの懐かしい気持ちは、人が生きていくエネルギーの原点だと思います」と吉本ばななもコメントを寄せている。 また、KinKi Kids・堂本剛のソロアルバムのジャケット撮影、スタジオ、音源を宇宙マッサージし、さらには音源の入ったハードティスクを宇宙マッサージしながら最終マスタリングのためのNYにWi-Fiで飛ばしたことも。著書に『樹ぴター』(文芸社)、 『気をつかわずに愛をつかう』 (アーバンプロ出版センター)、 『愛を味方にする生き方』(青林堂)、電子書籍『吉本ばなな×白井剛史 特別対談』(文芸カドカワ)など。

 

<著者プロフィール>
●姫乃たま(ひめの・たま)
【姫乃たま×プリミ恥部】「気を使ったら即死」人は気を使った時に大事な何かを失うの画像3
1993年2月12日生まれ。地下アイドル/ライター。16才よりフリーランスで地下アイドル活動を始め、ライブイベントへの出演を中心に、文筆業も営む。音楽ユニット「僕とジョルジュ」では、作詞と歌唱を手がけており、主な音楽作品に『First Order』『もしもし、今日はどうだった』、僕とジョルジュ名義で『僕とジョルジュ』『僕とジョルジュ2』、著書に『職業としての地下アイドル』(朝日新聞出版)『潜行~地下アイドルの人に言えない生活』(サイゾー社)がある。7インチレコードやカセットテープなど、様々なメディアで音楽を発表しており、地下アイドルとしても枠にとらわれない活動を展開している。

ウェブサイト ● http://himenotama.com
Twitter ● https://twitter.com/Himeeeno

文=姫乃たま

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