ウミガメが超絶進化していたことが研究で発覚! いつの間にか前ヒレで「空手チョップ」するほど“ヒト化”していた!
ウミガメが獲物をカラテチョップして捕まえている様子が撮影された。研究者はウミガメが進化しているのではないかと考えているという。今月28日付の英「Telegraph」が報じている。
■ウミガメがカラテチョップ
ウミガメには前後に大きなヒレがあるが、海の中で自由自在に泳ぎまわったり砂浜を這ったりするためだと考えられてきた。脳が小さいため、手足で細かな操作をする器用さもないとされてきたのだが、フランス領ポリネシア・モーレア島での調査やネット上の動画の解析により、それを覆すような発見がなされた。
なんとウミガメたちは、獲物にカラテチョップして打撃を加えたり、捕まえた獲物を抱えたりするなど、実に8種類以上の動作を前ヒレで行っているのだという。さらには食後に「指をなめる」ような仕草までみせたというから驚きだ。
研究を主導した米デューク大学の海洋生物学者カイル・バン・ホータン氏によれば、ウミガメには発達した前頭葉もなく、独立した指もなく、社会的な学習もしない。だが、ウミガメたちは海底を掘る、獲物を投げる、割く、叩くなどの動作を実際には行っている。
「これは進化の重要な側面を示しています。つまり、機会が適応を方向付けているのです」(バン・ホータン氏)
今回の研究では、アオウミガメ(Chelonia mydas)、タイマイ(Eretmochelys imbricata)、アカウミガメ(Caretta caretta)の三種類のウミガメが調査対象となった。ヒレを器用に操作して叩いたり捕まえたりする行動はイルカやアザラシなどの海洋哺乳類でも知られているが、脳の小さな海生の爬虫類でも同様の行動が見られるというのは、研究者らも予想外だったという。論文は今月28日付で学術誌「PeerJ」に掲載された。
■カメ型エイリアンはありうるか
さて、今回の興味深い発見について、生物学とオカルトに詳しい理学博士X氏曰く、地球外生命体を予測する上でも参考になる成果だという。
「近年、地球外生命が存在する可能性が高いと指摘されているのは海のある星です。太陽系内だと木星の衛星エウロパや土星の衛星エンケラドスなどですね。高度な知能を持つ水中生物の進化の可能性を考える上で、非常に興味深い研究だと思います」
海洋生物に似たエイリアンは実際に予想されている。例えば、理論物理学者カク・ミチオ氏はタコのようなエイリアンの姿を予測している(トカナの記事はこちら)。研究者すら予想外の器用さを見せたウミガメ。ひょっとすると、ミュータントタートルズのようなエイリアンというのもありうるのかもしれない。
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