海外版「忠犬ハチ公」物語4選に感動の涙が止まらない! 死んだ主人の墓から14年離れず、教会のミサに欠かさず参加も…!

海外版「忠犬ハチ公」物語4選に感動の涙が止まらない! 死んだ主人の墓から14年離れず、教会のミサに欠かさず参加も…!の画像4タイの道路脇に座り続けるイヌ 画像は「THAI VISA」より引用

■タイ版:道路脇に佇み、車に轢かれたイヌ

 タイ東部チャンタブリ県の道路脇に、その場所から片時も離れなかったイヌがいた。3歳くらいの中型の雑種のメス犬で、交通量が多い国道の中央分離帯の路肩に数カ月間も座り続けていた。そのため、車からこの場所に捨てられたなどして、飼い主を待ち続けているのではないかと噂になった。地元メディアが飼い主探しを呼びかけたが、引き取りを希望する人にもなつかず、その後の2016年9月25日、車に轢かれて死んでいるのが見つかり、火葬にされた。

 この場合、飼い主の帰りを路上で待っていたのかどうか定かではないが、1カ所でじっと動かなかったという状況を見ると、誰かを待っていたのかもしれない。ちなみにタイではハチ公が人気で、渋谷ハチ公像は東京を訪れるタイ人観光客にとって絶対に外せない観光名所になっているほどだ。


■イタリア版:主人の死後に教会のミサに欠かさず参加するトミー

 イタリア南部プーリア州で一人暮らしをするマリア・マルゲリタ・ロチさんは、犬好きで野良犬の世話をしていた。その1匹のジャーマンシェパードの雑種のトミー(12歳)は、散歩や買い物に行くマリアさんの後をいつもついて回ったが、彼女は2012年11月に病気で亡くなってしまう。

 だが、トミーはマリアさんの葬儀の日に葬送の行進に加わり、教会に着くと、棺のそばから離れようとしなかった。そして、その後も教会のミサを知らせる午後5時の鐘が鳴り響くと、トミーは教会へ行き、祭壇の前に陣取るのだった。再び孤児となったトミーだったが、人懐こい性質のため人気者となり、人々がエサを与えて生活できるようになった。

海外版「忠犬ハチ公」物語4選に感動の涙が止まらない! 死んだ主人の墓から14年離れず、教会のミサに欠かさず参加も…!の画像5画像は「Daily Mail」より引用

 この逸話を報じた英紙「Daily Mail」は、トミーの話は、2009年にリチャード・ギア主演でヒットした映画『HACHI 約束の犬』で世界中に知られるようになった主人公ハチの話に似ているとして締めくくっている。実はイタリアでも忠犬ハチ公の人気が高く、トミーの話もハチ公と重ね合わせて見る人々も多いようだ。


 こうして紹介してきた「忠犬」に感動する気持ちは、日本人だけでなく世界全体に共通するものなのかもしれない。筆者のタイ人の妻に聞いたところ、タイでは主人にとても忠実だったハチ公の物語がよく知られており、親しみを持たれていることから、日本を訪れた時にはハチ公像の前で記念写真を撮りたいというタイ人が絶えないのだという。そのような「忠犬」が、日本だけでなく他の国にもいるということは、人類の歴史の中で常に人とともに暮らしてきた犬という動物らしい逸話といえるだろう。


百瀬直也(ももせ・なおや)
超常現象研究家、地震前兆研究家、ライター。25年のソフトウエア開発歴を生かしIT技術やデータ重視の調査研究が得意。Webサイト/ブログ:『探求三昧』『神秘三昧』『防災三昧』、Twitter:@noya_momose


参考:「Greyfriars Bobby Historic UK」、「Grieving Dog Drawn to Savior’s Grave」、「西日本新聞」、「THAI VISA」、「日経新聞」、「Daily Mail」、ほか

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