無人島に25年以上暮らす「全裸おじさん」に突撃取材! 立ち退きのピンチも…孤独の中で究めた人生哲学とは?

無人島に25年以上暮らす「全裸おじさん」に突撃取材! 立ち退きのピンチも…孤独の中で究めた人生哲学とは?の画像6撮影=酒井透

自然というものは、本当に怖いよ。一番怖いのは台風。テントも何もみんな飛ばされてしまうんだ。NHKのラジオで流れる気象情報は必ず聞いているよ。生活は、すべて天気次第だからね。台湾の天気が1日後にこっちの天気になるんだ。聞き逃すわけにはいかないよ。人間は、自然をコントロールができない。自分の生活を自然に合わせることができなければ死んでしまうんだ!!」

 長崎さんは、福岡県の出身だ。若い頃はカメラマンをやっていた。西表島に来てからは、製糖工場などで働いていたが、人間関係が苦手だったこともあって外離島で生活を始めた。最初は、小さなテントを張り、そこで雨露をしのぎ、雨水を蓄えて飲み水としていた。数年前には、有志の人たちが木造で小さな小屋を建てている。小さなボートを持っているので、肉や野菜、米、日用品などが必要なときは、それに乗って西表島にあるスーパーに買い出しに行っていた。そのようなときは、服を着る。

無人島に25年以上暮らす「全裸おじさん」に突撃取材! 立ち退きのピンチも…孤独の中で究めた人生哲学とは?の画像7撮影=酒井透

「まだそんなに騒がれていなかった頃は、ダイビングに行く人たちや観光客が生活用品や食料、おみやげを持っていったりしていましたね。長崎さんにとって一番いい時代だったかも知れません。そんなこともあって、月1万円でも結構やっていけていたようですが、有名になりすぎてしまいましたよね。今住んでいるところ(「モクタンの浜」)も出て行くように言われているみたいですから可哀想です。島でもどこか住めるようなところがあればいいのでしょうけど、タダでテントを張れるようなところはないですよね……。単に追い出すのではなくて、ちゃんと生活ができる土地を見つけてあげないといけないですよね」(地元で暮らす50代の女性)

 20年以上も前、西表島には、テントを張って暮らしていた人がかなりいたという。しかし、孤独な生活に耐えられずに、気が狂ったり、病気になったりしたという。これまで長崎さんが一人でやってこられたのは、人並み外れた精神力と探求心があったからだろう。先の女性が話すように、たったひとりの老人のために“安住の地”を見つけてあげることができなければ、日本という国は、もうオシマイだろう。
(写真・文:酒井透)

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