「北朝鮮は超能力少年たちを拉致していた」脱北作家・金柱聖が激白! 北の幽霊、占い、神童…オカルト国家の実態とは?

■北朝鮮がオカルト国家になった理由

「北朝鮮は超能力少年たちを拉致していた」脱北作家・金柱聖が激白! 北の幽霊、占い、神童…オカルト国家の実態とは?の画像3撮影=編集部

――金日成にまつわるオカルト話さえも洗脳に利用するのですね。

金氏 北朝鮮でオカルト的なことが信じられるようになったのは、90年代に北朝鮮の経済が悪化して国家供給が止まり、人民が大量餓死した時がきっかけですね。ちょうど、その時期から北朝鮮のいたるところで“占い師”が現れ始めたのです。


――現実世界が厳しく先行きが不安だから、人民がオカルトに救いを求めだしたわけですね。

金氏 90年代に入って供給が止まった時、国家に期待して供給を待っていた人は餓死しました。けれど、賢い人たちは、市場に出て何かを売るなど商売を始めたのです。そこで、商売をする前に占い師に頼るのです。たとえば、「今度一緒に商売する相手は大丈夫か?」というように、その辺りからどんどん占い師の需要が高まったのです。

 北朝鮮の人々は、商売がうまくいかなかったり、病気にかかったり、何か問題が起こると占い師に頼るんです。すると占い師が「墓に行ってみろ」と言うのです。それで、実際にお墓に行ってみると「木の根っこが伸びて、お墓に埋まっている遺体を貫通していた」「墓標が倒れていた」というような異変が起こっている。そして、お墓をちゃんと整備すると、病気が治るなど運気が回復するんです。今もそうですが、北朝鮮の占い師は結構、儲けていますよ。そんなわけで、北朝鮮で一番多いオカルト話が、先祖の墓に関することでしたね。北朝鮮は基本的に土葬なんですよ。でも、人口200万人もいる大都市の平壌では、死者を埋める山すらないこともあり、火葬をしていますが。


――北朝鮮では、確か占いは禁止なんですよね。だから、占い師はこっそり裏稼業をしているということなのでしょうか?

金氏 そうですよ。でも、統制機関の人たちも「あの占い師は結構よく当たるよ」という噂を人民から聞くと、占い師にいろいろと聞きにいくんです。統制機関の奥さんたちが占い師にはまっていますよね。

■北朝鮮で拾ってはいけない物

――女の人は占い好きですからね。

金氏 旦那は奥さんに「占いなんかやめろ」と言うんです。でも、奥さんは自分の旦那が出世して欲しいから占い師のところに行くんですよ。実際に相談しに行くと、占い師が「悪運を解く儀式」を教えてくれるんです。「旦那の下着と鳥の足を風呂敷に包んで道端に置いて来い」「藁人形を作ってお札を巻き付けて人通りが多い道に捨てろ」という指示をするんです。そして、「誰かが拾う様子を物陰からこっそり見ていろ」と言われます。どうやら、それを拾った人に悪運が移るらしいんです。そういった儀式めいたものが結構、流行っていましたね。


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