歯医者は患者の不安を「嗅ぎ取って」ミスを犯しやすくなることが判明! 患者のストレス臭が治療に影響
歯科が苦手というオトナは案外多い。あのドリルのうなり音だけは、いくつになっても心地よいサウンドとして響かないようだ。そんな「歯医者さん嫌い」を、さらに地獄に突き落とすような医療研究が発表された。
■恐がる患者の体臭で歯科医のミスか増える?
英紙「Daily Mail」(5月25日付)は、「歯科医はナーバスになっている患者の体臭を嗅ぐと、ミスが増える」というショッキングなニュースを伝えている。
これまでの科学データから「人間は感情が高ぶっているとき、特にプレッシャーにさらされているときは、体臭がキツくなり、それは周囲も気づくほどである」ことが明らかになっている。
ヴァレンティーナ・パルマ博士は、イタリア・トリエステにある「the International School for Advanced Studies(トリエステ国際高等研究スクール)」で、人間の運動行動における体臭の影響について研究している神経科学者だ。
今回、パルマ博士の研究チームが行った実験は「歯科医は患者の心配を嗅ぎ取ることにより、治療技術が低下するか」というものだ。
この仮説を検証するため、まず24名の歯科学生に実験ボランティアになってもらい、各自から2枚ずつ、着用済みのTシャツを提供してもらった。1枚は、難しい試験のときに着ていたもの。もう1枚は、通常の授業中に着ていたもの。
次に、集めたTシャツすべてに体臭を隠す薬品処理を施す。その後、別の歯科学生ボランティア24名にTシャツを着たマネキンの歯の治療実習を行ってもらい、そのパフォーマンスを教官が評価するという手順だ。
結果、試験中に着ていたTシャツのマネキンを治療したときのほうが、治療の出来がかなり悪くなることがわかった。つまり、患者のストレス臭を嗅ぎ取った医師は、よりミスしやすくなり、治療結果にも如実に表れることが証明されたのだ。
■「体臭に隠された化学信号が行動に影響を及ぼす」
「体臭に隠された化学信号は、我々の感情を表出させ、周囲の人々の行動にも影響を及ぼすという今回の発見は、事実上、世界初のエビデンスとなるでしょう」(ヴァレンティーナ・パルマ博士)
博士は医学雑誌「New Scientist」で、他人からの不安感は潜在意識のレベルで、敏感に伝わってくると結論づけている。また、マネキンが生身の人間だった場合、おそらく患者の歯を傷つけていた可能性が高いという。しかしながら、経験豊富な歯科医師の場合は、ストレスフルな患者を前にしても動揺することは少ないとしている。
研究チームは、今後、歯科医の卵たちが治療する際には、このような現象が起きることを前もって承知していれば、患者の気持ちに寄り添え、ケアの向上にもつながると期待している。
私事だが、今日これから歯の定期検診がある。担当医師や歯科衛生士さんとは良好な関係だが、今後はさらにアイコンタクトや笑顔を絶やさないようにして「レイドバックした、手のかからない患者」になろうと思う。それが、自分の歯を守る術なのだから。
参考:「Daily Mail」ほか
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