人類は地球外生命体を宿した“紫色の惑星”を見落としている! 宇宙人と“初対面”のXデーは2021年か!?

■「惑星が生きているかどうかは、生命が存在していることのみによって説明できる」

 その惑星に生命が存在する可能性を占う条件としてまず最初にくるのが酸素の存在だ。しかし、米ワシントン大学の天文学者であるビクトリア・メドウズ氏は、大気中の酸素に過度にこだわることは、発見を見落としかねないバイアスになることを指摘している。我々の地球にしても、現在のように大気中の酸素が豊富になる以前にも数多くの生命が存在していたのだ。

 メドウズ氏をはじめとする科学者は、NASAの地球外生命体探査プロジェクトであるNExSS(Nexus for Exoplanet System Science)の研究者に、これまで以上の広範囲の“命のかたち”を探索するよう促している。

人類は地球外生命体を宿した紫色の惑星を見落としている! 宇宙人と初対面のXデーは2021年か!?の画像3Express」の記事より

 NASA・ゴダード宇宙飛行センターのショーン・ドマガル・ゴールドマン氏は、その惑星に生命がいるのかいないのか、安易に決めつけてはならないのだという。

「他の惑星での生命探査において“いる”または“いない”という回答をする必要はありません。惑星が生きているように見える理由は、生命が存在していることのみによって説明できるという強い自信が我々にはあります」(ショーン・ドマガル・ゴールドマン氏)

 これまではややもすればSF的な、浮世離れしたイメージもあったかに思える地球外生命体探査の分野だが、決して夢物語ではなくきわめて具体的かつ現実的に検討する段階に入ったということになりそうだ。

「銀河系内の生命の存在の可能性について理論化する段階は終わり、今は“私たちは一人ぼっちか?”という究極の質問に対する答えを与える堅実な科学的探求に移行してきています」とNASAの太陽系外惑星研究者であるマーチン・スティル氏は語る。

 こうしてあらゆる可能性を視野に入れた地球外生命体探査の取り組みが着実に推し進められている。紫色の大自然に覆われた惑星が発見されるのもそう遠い先のことではないのかもしれない。


参考:「Express」、ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
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