アインシュタインのVRアバターを使うと実際に頭が良くなることが判明! デキる人に「なりきる=なる」こと証明!
■VRの世界で“別人”になることで新たな挑戦ができる
このVR実験の結果は興味深いものになった。このVR世界での“アインシュタイン体験”によって、一部の実験参加者の認知機能テストの成績が向上したのだ。アインシュタインに成り代わる体験だけで、実際に“頭が良く”なったのである。
その人々とは、事前のテストで自尊心が低いと判断された人々である。自尊心のレベルが低かった実験参加者は、“アインシュタイン体験”によって認知機能テストの成績が向上し、加えて老人への潜在的な偏見が少なくなり、さらには自尊心が高まったのである。
なぜこのような結果になっているのか、そのメカニズムを解明するのは難しいのだが、ともあれ研究者たちはアインシュタインという象徴的な物理学者にVR空間で成り代わることによって、認知機能テストの成績向上をもたらしていることを確認したのである。
自尊心が低く自己肯定感の乏しい人は、VR体験によって能力や業績の高い人物に成り代わることによって、ある意味で“自分を忘れて”今まで“封印”してきた能力が発揮できるということになるのかもしれない。「アインシュタインは社会的に認知され、広く受け入れられるキャラクターであると考えられるので、(VR体験によって)自尊心の低い人の自尊感情が改善され、認知能力が向上すると説明することができます」と研究チームは言及している。
VRビデオゲームによる“ダイエット効果”も最近になっていろいろ報告されているのだが、それもVRの世界でゲームのキャラクターになることによって、“太っている自分”を忘れることができるため、自分の身体を意識せずにゲームに打ち込め、これまで過食になりがちな食習慣を抑制できるのかもしれない。
またまだ検証が必要な研究にはなるのだが、研究チームは、今回の発見は自信のない人々、とりわけ教育の現場で学業に自信が持てない子どもたちにきわめて有効な“現状打破”の手段として活用できるのではないかと思い描いている。VRの世界でいったん“別人”になることによって、今まで諦めてきたことに新たな気分で挑めるということだろうか。
参考:「Science Alert」、「Medical Xpress」、「Frontiers in Psychology」ほか
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2024.10.02 20:00心霊アインシュタインのVRアバターを使うと実際に頭が良くなることが判明! デキる人に「なりきる=なる」こと証明!のページです。アバター、仲田しんじ、アインシュタイン、自尊心、偏見、VR、認知機能などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで