【閲覧注意】20年間「樹海」を取材し続けた村田らむ氏が「これまで発見した頭蓋骨」解説! 心中した悲しい骨も…
――新刊『樹海考』が好評の、ルポライター村田らむ氏が緊急寄稿!
僕(村田らむ)が青木ケ原樹海を取材しはじめて二十年になる。このたび『樹海考』(晶文社)として一冊にまとめさせていただいた。この本では、樹海の成り立ち、樹海の中にある宗教団体、樹海に関して囁かれる都市伝説の秘密……などなど様々なアプローチから樹海を取り上げた。興味がある人はぜひ読んでいただきたい。
もちろん“自殺の森”としての樹海もかなり取り上げた。僕自身も樹海で死体を発見しているし、自殺しようとしている老婆の姉妹を通報したこともあった。樹海で死体を探す人達とも知り合った。
中でもKさんはエリートサラリーマンでありながら、死体を探すために足繁く樹海に通うかなり特異な人だ。
■死体探しに没頭するサラリーマンKさん
Kさんが樹海にハマるキッカケになった、最初に見つけた死体の写真を見せてもらった。首を吊った男性の遺体だったが、肌は赤くなり目と鼻と口からはセメント色のようなジェル状の液体がダラダラと流れていた。
「いやあ、そんなの見つけちゃったらハマるしかないでしょう?」
とニコニコ笑顔で言われた。
Kさんと行動を共にして、僕の“見た死体の数”は激増した。ちなみに僕はのべ約20体の死体を見てきた。Kさん自身は70体ほど見つけているそうだ。ただ、死体と言っても、その多くは骸骨だった。九相図(人体が腐っていく様子を九枚の絵画で描く作品)で言うと第八の状態である。第九は全てが土に還る図なので、実質上の最後である。
骨が多いのも当たり前で、人体はどんどん腐っていく。夏場であれば2ヶ月もあれば骨になってしまう。
Kさん曰く、「骨ねえ……。まあ、ないよりはマシ? って感じですかね」とのこと。やっぱり“身”がついていた方が、嬉しいのだ。
トカナの記事にもなった、釣崎清隆さんとKさんと松原タニシさんとで行った死体探しツアーではいくつも骨は見つかった(記事はこちら)。
それでも最初は「おお!!」「すごいね」などと言っていたのだが、最後のほうは「ちっ、また骨かよ」みたいな感じになってしまった。
まるでアプリゲームのガチャでノーマルカードが出たような扱いになってきた。
ただ、僕は骸骨が好きなのである。
僕はイラストも描くが、最もモチーフにしているのがスカル、頭蓋骨である。アングラなモチーフなのに、万人に受けがよい。Tシャツにしてもよく売れる。
老若男女どんなスカルでもかっこいいのである。
「どんなにモテないブサイクな人でも、死んで腐って骨になったら、カッコいい!! クール!! と言われる存在になれる!!」
例えばこんなふうに思ったら希望がわかないだろうか? わかないか!!
というわけで 、今回は樹海で見つけた頭蓋骨を前後編に分けて見ていこう。
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