【閲覧注意】20年間「樹海」を取材し続けた村田らむ氏が「これまで発見した頭蓋骨」解説! 心中した悲しい骨も…
■最初の骨
僕が初めて樹海で見た骨である。
体の骨の多くは死んだ時に着ていたレインコートの中に入っていて、あまり外には転がっていなかった。頭蓋骨だけが坂を落ちてポツンとさかさまに落ちていたのが印象的だ。
僕は昔から頭蓋骨が好きで、よく国立科学博物館に足を運んでいる。国立科学博物館には実にたくさんの頭蓋骨がある。ただその多くは縄文時代、弥生時代などかなり古い時代の骨である。
樹海の骨は基本的には現代人のものだ。
だから、多くの頭蓋骨には“歯の治療痕”がある。歯の治療痕は身元不明の死体を識別するのにも使われている。
樹海で見た初めての頭蓋骨の歯にも多くの治療痕があった。治療されている歯を見ると、急になまなましく、髑髏を死体だと感じた。
頭蓋骨は、倒木などと同じ苔に薄く覆われて薄い緑色になりとても綺麗だった。
模型の頭蓋骨はいくつも持っているが、やはり本物は質感が全然違う。いつまで見ていても飽きなかった。
ムクムクと「家に持ち帰りたい……」という気持ちがわいてきたが、もし警察に見つかったら大事である。
泣く泣く諦めて帰った。
■首吊り死体の骨
二体目の骨は空中にロープがあり、その下にガシャガシャガシャと骨が散らばっていた。
この死体の近くには、かなり見た目にインパクトがある首吊り死体があった。先にそちらを見たため、どうにも二体目のインパクトが下がってしまった。
だが、やはりよく見れば味わい深い骨だった。まずこの人の歯は、本来の歯の上に見せるようの歯を貼り付ける治療をしたものだった。骨の表面部分はボロボロになり穴が空いて、歯の穴が見えているのが印象的だった。
また鼻や眼孔の部分の骨の継ぎ目には、苔が生え始めていてまるで毛が生えてきているようになっていた。もうしばらくしてフサフサになった頭蓋骨も見たいなあと思った。
また空中にあったロープには髪の毛がからまり、どのような最後をむかえたのか考えさせられた。
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