地球上の生物の絶滅スピードが1000倍加速していることが判明! 専門家も警告、“決断”が求められる異常事態!

■“種の絶滅率”は自然絶滅率の1000倍に相当

 しかし、科学はキタシロサイの絶滅をただ指をくわえて見ていることなど許すはずもなかった。動物学者と獣医たちからなる国際チームが、キタシロサイの種の保存に立ち上がったのだ。

 キタシロサイから採取した精子をミナミシロサイの卵子に受精させることで「ハイブリッド胚」を作り出すという計画が進行している。現在、2個のハイブリッド胚を冷凍保存しており、将来、妊娠率の高い人工授精技術が見つかったら、ミナミシロサイの子宮へ注入する予定だという。

地球上の生物の絶滅スピードが1000倍加速していることが判明! 専門家も警告、決断が求められる異常事態!の画像3Science Alert」の記事より

 これで、キタシロサイが絶滅した後でも、ハイブリッドなシロサイの子どもが遺伝子を継承すると期待されている。

「これは種を救うための、非常に大胆で、言うなれば死にものぐるいの決断ではないでしょうか」

 そう評価するのは、米デューク大学で保全生態学を専門とするスチュワート・ピム教授だ。彼は、このプロジェクトに参加していないが、自らの最新論文で「人類が及ぼす地球規模の影響力は超大で、それにより“種の絶滅率”は現在、自然絶滅率の1000倍に相当する。将来の確率は、さらに上昇する可能性が高い」と、生態系の現状に警鐘を鳴らしている1人だ。

 ニュージーランドのツアタラ(ムカシトカゲ)やマダガスカルのアイアイなど、生物が地球上から1種また1種と、絶滅に向かっているのは事実で、けして「自然淘汰」という聞こえのいい言葉ではくくりきれない不穏さがある。このまま生物の多種多様性が失われれば、やがて自然界の一部である人間にもダメージがもたらされるのは自明の理だろう。

地球上の生物の絶滅スピードが1000倍加速していることが判明! 専門家も警告、決断が求められる異常事態!の画像4アイアイ 画像は「Wikipedia」より

 環境破壊や生態サイクルは、地道な努力で回復できるはず。だが、絶滅してしまったら――我々に残された時間は、思いのほか少なくなっているのかもしれない。
(文=佐藤Kay)


参考:「Science Alert」、「Science Alert」、「Nicholas School of the Environment」、ほか

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