留置経験者が激白、面会室の決定的問題点!「私も樋田容疑者と同じことをして…」
■「アクリル板を蹴破ったという話はあり得ない」(留置経験者)
「(樋田淳也容疑者が)接見室のアクリル板を蹴破ったという話がありますが、それをやると、間違いなく大きい音がするので、私はあり得ないと思います。それに、留置されている人間が履いているのは私物ではなく、貸与されているゴムサンダルです。なので、蹴破るのは無理ですね。面会が行われるたびに、数回にわたって、足でアクリル板を押して隙間を作り、破壊したのではないか、と。それが結果的に、壊されたように見えたのかもしれません」
大阪府警では毎年1回、大阪府警管内65署の留置場の点検を行っており、問題の富田林署では7月3日に点検が実施されたと発表している。しかし、その点検項目に、面会室と呼ばれる接見室は含まれていなかったという。
また、各警察署では留置されている人間の持ち物検査は徹底されているし、留置場の点検も当然、定期的に行われている。そのような状況下で、1回で面会室から脱出するのに成功するとは思えないのである。
また、弁護士と接見する際、警察官は立ち会うことが出来ず、時間も無制限に行われる。樋田淳也容疑者の場合も、すでに何回目かの接見だったことから、担当弁護士は、
「自分から報告するから声掛けはしなくていい」
と、伝えているために、アクリル板に手を加える時間は十分にあったのかもしれない。富田林警察署の規模では、接見を行う部屋は少ない(1部屋)。面会のたびに徐々に時間をかけ、足でアクリル板に手を加え隙間を作り、脱出を可能にしたのかもしれない。
■樋田淳也容疑者による計画的な犯行…見抜かれた警備体制
「私も留置されている当時、そのような方法で作られた隙間を使い、メモなどを留置管理課の警察官に見えないように渡したこともあります」(A氏)
捜査関係者の話によると、実際に樋田淳也容疑者の留置されていた部屋からは、監視の緩い警察官の勤務のシフト表なども見つかり、計画的な犯行であったことも明らかになってきた。
逃走が行われた12日は日曜日で、幹部警察官は宿直以外は通常休日である。樋田淳也容疑者は勤務している警察官が少ないことを、長い留置歴で知っていたに違いない。
ドアを開けた際、本来鳴るはずのブザーの電池を抜いていたのは、富田林署の大きな失点であるが。だが、それ以上に全国の警察署では、A氏が語った接見室のアクリル板のもろさ、欠点を把握しなければいけないのではないだろうか。
今も逃走を続ける樋田淳也容疑者。大阪府警の威信を掛けた捜査の手が間近に迫っているのだろうか。
(文◎中田一行)
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