鶏小屋に閉じ込められて育った少女「チキンガール」 ― 口先が尖り、腕で羽ばたき、コココと鳴き… 研究者注目の数奇な人生

 かつてポルトガルに、生まれて間もなく鶏小屋に閉じ込められて育った少女がいた。その見た目や振る舞いから「チキンガール」と呼ばれた少女の数奇な半生を、オルタナティブメディア「Oddity Central」が8月30日付で報じている。

鶏小屋に閉じ込められて育った少女「チキンガール」 ― 口先が尖り、腕で羽ばたき、コココと鳴き… 研究者注目の数奇な人生の画像1当時の新聞報道。画像は「Oddity Central」より引用


■鶏小屋の少女

 1980年、ポルトガル中央部のコインブラ県ターブアの寂れた農村で、鶏小屋に閉じ込められていた一人の少女が救出された。マリア・イサベル・クアレスマ・ドス・サントスさんは救出当時9歳だったが、その体は栄養失調で小さく、口先が尖るなど様々な変形が見られたという。知能は2歳児程度で言葉をしゃべることもできず、まるでニワトリのように振る舞ったことから、イサベルさんは「チキンガール」と呼ばれることとなった。

 当時の報道によると、イサベルさんの母親はかねてから精神に異常を抱えていたといい、父親が誰なのかも不明だという。イサベルさんは生まれて間もなく自宅の隣の鶏舎に閉じ込められ、以後ニワトリのエサやキャベツ、家族の残飯などを与えられて育った。のちに母親は結婚し、イサベルさんの異父兄弟が生まれていたが、その子たちは家の中で普通に育てられていたという。

 近所の人々も鶏小屋に閉じ込められた少女のことは知っており、母親がイサベルさんを罵り、暴力を振るっている場面もしばしば目撃されていたという。だが、多くの者たちはイサベルさんの苦境を見て見ぬ振りしていた。

鶏小屋に閉じ込められて育った少女「チキンガール」 ― 口先が尖り、腕で羽ばたき、コココと鳴き… 研究者注目の数奇な人生の画像21991年頃に撮影されたイサベルさん(中央)。画像は「Expresso」より引用

 1976年、あまりの惨状を見かねた親戚の一人がイサベルさんを連れ出し、病院の診察を受けさせたという。身体にはすでに深刻な障害が現れており、入院治療が必要と診断されたが、彼女を受け入れる病院や施設は見つからなかった。そして、信じられないことであるが、イサベルさんは再び自宅の鶏小屋へと連れ戻されたというのである。

 イサベルさんが救出されたのは、それから4年もたった後のことだ。かつて診察を受けた病院の職員がマスメディアに告発し、イサベルさんの苦境はようやく白日のもとに晒された。幼い少女が鶏小屋に閉じ込められていたというニュースは、当時のポルトガルにも大きなショックを与え、時の大統領夫人マヌエラ・エアネス氏もイサベルさんの救出のために動いた。

 ようやく苦境を脱したイサベルさんだったが、ほとんど人間と接してこなかったため、精神的・知的に大きな発達の遅滞がみられ、診察した医師ですらあまりの状態に驚愕したという。彼女は悲しさで涙を流すことも知らず、まるでニワトリのように鳴き声で様々な感情を示した。さらに歩き方も不自然で、羽ばたくように腕を動かしたそうだ。

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