今夏の暑さが「世界的に異常気象」だったことがひと目でわかる一覧! これが夏の“新基準”に… 気象学者も戦慄!

 残暑にもまだまだ気が抜けないが、今年の夏は日本だけでなく世界的な“酷暑”であったことが改めて報告されている。気象の専門家たちでさえ驚きを隠せないという暑さだったのだ。


■世界各地で最高気温を記録した7月

 オンラインメディア「Axios」の記事では、この7月のグローバルな酷暑は、我々人類がつくり出してしまった気候変動と明らかな関係があると主張している。そしてこれは今年始まったばかりのことであり、まだまだ先があるということだ。記事によれば産業革命以前の世界よりも平均気温は今のところ1度の上昇にとどまっているが、今年の夏を境にして2100年までにはプラス3度に到達するということである。

 この7月の世界的猛暑はどれほどのものであったのか、ここで一度振り返ってみよう。


・ 北米

 カリフォルニア州ロサンゼルスで7月6日に最高記録となる43.9度を観測。カナダ・モントリオールでも7月上旬にすべての時間帯において最高記録をマークし、ケベックでも酷暑。

 カリフォルニア州中部のデスバレーでは3日間連続で52.8度を記録して、7月の平均気温が42.3度という月間気温の世界記録を更新した。メイン州カリブーなどを含め、世界各地で7月はその地域の月間平均気温が過去最高になっている。

今夏の暑さが「世界的に異常気象」だったことがひと目でわかる一覧! これが夏の新基準に… 気象学者も戦慄!の画像1The Sun」の記事より

 また、カリフォルニア州ではヨセミテ国立公園での大規模な森林火災をはじめとする山火事が頻発した。


・ ヨーロッパ

 猛暑により北欧スカンジナビアで大規模な山火事が発生。北極圏のすべての地点で過去最高気温を記録し、フィンランド・ソダンキュラでは7月17日に異例の31.8度に到達。ノルウェー北部のソルトランの町でも31.0度を記録。18日には同じくノルウェー北部のMakkaurで一日の最低気温が25.2度という最高記録をマークした。

 オランダ・アムステルダムで34.8度を記録し、ロンドンでも35度に達した。


・ アジア

 中国の22の都市で7月の月間最高気温を記録。韓国では8月1日に洪川(ほんちょん)郡で40.7度を記録。ソウルでも39.6度を記録している。

 ご存じのように日本では7月23日に埼玉・熊谷で国内最高気温である41.1度を記録した。

今夏の暑さが「世界的に異常気象」だったことがひと目でわかる一覧! これが夏の新基準に… 気象学者も戦慄!の画像2CNN」の記事より

 また国内ではこの酷暑で牛乳の生産量が落ち込みを見せており、学校給食がはじまる9月以降の牛乳と乳製品の需給への影響が懸念されている。


・ 中東

 オマーン・クリヤットでは7月28日に一日の“最低気温の世界最高記録”である42.8度をマーク。


・ アフリカ

 アルジェリア・ワルグラでは7月5日にアフリカ最高記録となる51.3度を記録。

 こうして振り返ってみるだけで額から汗が滲むが(!?)、異常な高温だけでなく世界各地で山火事や台風、大雨による被害が相次いだことも再確認すべきであろう。

今夏の暑さが「世界的に異常気象」だったことがひと目でわかる一覧! これが夏の新基準に… 気象学者も戦慄!の画像3ヨセミテ国立公園での大規模な山火事 画像は「Wikipedia」より


■今年の酷暑が夏の“新基準”になるのか?

「人為的な気候変動が極端な異常気象にどのように影響するかを理解している人にとっても、今年の夏に起こったことは信じられません」と気象学者のバーナデット・ウッズ氏は話す。

 カリフォルニア州の研究施設「ローレンス・バークレー・ナショナル・ラボラトリー」の研究者であるマイケル・ヴェーナー氏も2018年は“異常な年”であると言及している。

「地球温暖化のために各地で最高気温の記録が更新されると予測はしていましたが、同じ年にこれほどの多くの記録が破られるとは思いもしませんでした」(マイケル・ヴェーナー氏)

 また米スタンフォード大学のノア・ディフェンボー教授は昨年実施した研究で、気候変動により世界の地表の80%で過去最高気温の記録を破ると、今年のグローバルな酷暑を予測していた。

今夏の暑さが「世界的に異常気象」だったことがひと目でわかる一覧! これが夏の新基準に… 気象学者も戦慄!の画像41976年6月(左)、2018年6月(右) 「Axios」の記事より

 さらにカリフォルニア大学ロサンゼルス校の気象学者であるダニエル・スウェイン氏は「気象学者としての私の見解からすれば、これの最も印象的な(そして恐ろしい)側面の1つは、私たちの目の前に現実世界で何十年も前の科学的予測が検証されていることです」と語る。2018年の夏は過去に予測されていた近未来だったのだ。

「そして今、ロンドン、東京、デリー、ロサンゼルス、ワシントンD.C.の数千万の人々が住む場所で、これらの変化が目に見える形で現れています」(ダニエル・スウェイン氏)

 今年の酷暑が夏の“新基準”になってしまうとすれば、もはや夏に対する考えを基本的に改めなければならないのかもしれない。夏休みが待ち遠しいなんて思えなくなる話題とも言えそうだ。


参考:「Axios」、ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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