ゴッホの耳、人間の皮膚ジャケット、蘇生ユニコーン…「2018年のフランケンシュタイン展」のバイオアートが攻めまくり!

ゴッホの耳、人間の皮膚ジャケット、蘇生ユニコーン…「2018年のフランケンシュタイン展」のバイオアートが攻めまくり!の画像7AKI INOMATAやどかりに『やど』をわたしてみる©️AKI INOMATA
ゴッホの耳、人間の皮膚ジャケット、蘇生ユニコーン…「2018年のフランケンシュタイン展」のバイオアートが攻めまくり!の画像8AKI INOMATAやどかりに『やど』をわたしてみる©️AKI INOMATA

 展示の第2章は「人新世」がテーマとなる。「人新世」という言葉は、オゾンホールの解明でノーベル賞を受賞したパウル・クルッツェンらが提唱した新たな地質年代のこと。つまり、18世紀の産業革命以来、人間の活動は自然が作り上げた環境を容赦なく激変させており、そのような状況を新たな地質年代として「人新世」と呼んでいる。

 展示会場に大きな水槽を置き、実際に生き物を展示したのは、AKI INOMATAの代表作《やどかりに「やど」をわたしてみる》である。

 彼女は、3Dプリンタで作った都市模型の殻にヤドカリを住まわせる作品を手がけており、今回は本当に生きているヤドカリが人工物である都市模型の殻に住んでいる姿を見せている。タイミングがよければ、ヤドカリが別の殻へと住み替える光景を鑑賞することもできるという。

 加えて、AKI INOMATAはアサリの貝殻の断面を100倍にズームした写真作品《LINES――貝の成長線を聴く》や、ファッションブランドの衣服の切れ端で巣をつくるミノムシの映像作品《girl, girl, girl…》も展示している。

ゴッホの耳、人間の皮膚ジャケット、蘇生ユニコーン…「2018年のフランケンシュタイン展」のバイオアートが攻めまくり!の画像9マーク・ダイオン「タール漬けの鳥」2003-photo:Yohsuke TAKAHASHI©️Mark Dion

 このセクションでは、ロバート・スミッソンマーク・ダイオンといったベテラン作家たちが人間が環境へ与える影響を直接的に示唆する作品を見せてくれていた。

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