ゴッホの耳、人間の皮膚ジャケット、蘇生ユニコーン…「2018年のフランケンシュタイン展」のバイオアートが攻めまくり!

ゴッホの耳、人間の皮膚ジャケット、蘇生ユニコーン…「2018年のフランケンシュタイン展」のバイオアートが攻めまくり!の画像10ヘザー・デューイ=ハグボーグ「Stranger Visions」2012-2013©️Heather Dewey-Hagborg

 第3章、「生政治」は、個人の生に関する情報が政府によって管理される状況である。ここでは、生態情報がいかに重要で危険性を孕んだものであるかが、2組のアーティストによって提示されている。

 壁に掛けられた3つの人間の顔。これらは街角に落ちている髪の毛やタバコの吸い殻からDNAを摂取し、その落とし主の顔を再現している。この作品は、ヘザー・デューイ・ハグボーグによる《ストレンジャー・ヴィジョンズ》である。いまや微量なDNAから性別、祖先、目や髪の毛の色といった外見の情報、さらに本人も知らなかった将来の病気のリスクまでわかってしまうという。

ゴッホの耳、人間の皮膚ジャケット、蘇生ユニコーン…「2018年のフランケンシュタイン展」のバイオアートが攻めまくり!の画像11ヘザー・デューイ=ハグボーグ「Stranger Visions」2012-2013©️Heather Dewey-Hagborg

 もうひとつの作品は、ゲオアグ・トレメル福原志保によるアーティストグループ「BCL」によるもの。《BLP-200B:DNAブラックリストプリンター》と題されたこの作品では、BCLはパンデミックを起こす危険性があるウイルスのDNA配列を延々と印刷し続けている。

ゴッホの耳、人間の皮膚ジャケット、蘇生ユニコーン…「2018年のフランケンシュタイン展」のバイオアートが攻めまくり!の画像12BCL「DNA Black List Printer」2018-©️BCL

 倫理問題や法律、さらには生物の生態系さえも破壊してしまうかもしれないものまでもテーマとする「バイオアート」、世界中から厳選された作家と作品を通じて、そのスリリングな面白さを一望できる貴重なチャンスである。

【展示情報】
2018 年のフランケンシュタイン – バイオアートにみる芸術と科学と社会のいま
会期:2018年9月7日(金)~10月14日(日)
会場:EYE OF GYRE – GYRE 3F
住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1
開館時間:11:00~20:00(無休)
出品作家:ロバート・スミッソン、マーク・ダイオン、ディムット・ストレーブ、ティナ・ゴヤンク、ヘザー・デューイ=ハグボーグ、BCL、AKI INOMATA、本多沙映、平野真美
主催:GYRE /スクールデレック芸術社会学研究所
監修:飯田高誉(スクールデレック芸術社会学研究所 所長)
キュレーション:髙橋洋介(金沢21 世紀美術館 学芸員)
グラフィックデザイン:長嶋りかこ(village ®)
協力:HiRAO INC
コンタクト:GYRE(03-3948-6990)
・オフィシャルサイト:https://gyre-omotesando.com/artandgallery/bioart/
※9/29、9/30には作家、企画者、監修者が揃い、トークショー、プレスツアーは申し込みが必要です。オフィシャルサイトをご確認ください。
9/29 AKI INOMATA×高橋洋介×飯田高誉トークセッション
https://gyretalk.peatix.com/?lang=ja
9/30 ギャラリーツアー
https://gyregallerytour.peatix.com/?lang=ja

【展示概要】
 イギリスのSF 小説家メアリー・シェリーが「フランケンシュタイン」を発表して2018年で200年となる。その小説の中で科学者 が生物の断片をつなぎ合わせて生み出した怪物は、その後、何百という芸術作品のテーマになってきたが、そこで提起された「創造物による創造主への反乱」や「神に代わり生命を創り出すことの矛盾」といった問題は、AI や遺伝子組み換え技術が飛躍的に発展する今日、古びるどころか、ますます現代的なものになってきている。本展では「フランケンシュタイン」で 提起された問題のいくつかを今日のものとして再考すべく、 バイオテクノロジーや生物を使った芸術潮流「バイオアート」の騎手として注目される国内外のアーティストの作品を中心に紹介する。1890年に自殺したと言われるゴッホの左耳をDNAを合成して再生するドイツのディムット・ストレーブ、路上のゴミからDNAを抽出し個人の顔を再現するアメリカのデューイ・ハグホーグ、アレキサンダー・マックイーンの皮膚を幹細胞技術で再生しレザージャケットに仕立てるイギリスのティナ・ゴヤンクなど日本で初公開となる作品や資料を通して、フランケンシュタインの諸問題を今日の芸術の3つの文脈ー「死者の蘇生」「人新世における生命」「生政治」ーから読み解くことを試みる。 (髙橋洋介)

文・取材=ケロッピー前田

ケロッピー前田(けろっぴー・まえだ) 

1965年、東京都生まれ。千葉大学工学部卒、白夜書房(のちにコアマガジン)を経てフリーに。世界のカウンターカルチャーを現場レポート、若者向けカルチャー誌『BURST』(白夜書房/コアマガジン)などで活躍し、海外の身体改造の最前線を日本に紹介してきた。その活動は地上波の人気テレビ番組でも取り上げられ話題となる。著書に『クレイジートリップ』(三才ブックス)、『クレイジーカルチャー紀行』(KADOKAWA)、責任編集『バースト・ジェネレーション』(東京キララ社)など。新刊本『縄文時代にタトゥーはあったのか』(国書刊行会)絶賛発売中!

公式twitter:@keroppymaeda

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