脳をスキャンするだけで人のスキルや適正が丸わかりだったことが判明! 就職試験や面接は時代遅れに
■熟練外科医は手術で自然に身体が動いている
実験で収集したデータを分析したところ研究チームは、熟練したベテラン外科医が他のグループの人々よりもはるかに高度な運動能力を有することを示したと報告している。つまり熟練外科医はシミュレーション課題中に特定の脳の領域の活動が著しく活発だったのである。
研究ではまた、医学生が訓練されるにつれて、オペレーションスキルがより高まることを確認した。研究チームはこれまでの外科医認可試験よりも、受験者のスキルを正確に把握できると主張している。
研修医は、手術シミュレーションにおいて複雑な行動を計画する脳の領域である前頭前野の活動が急激に活発になっていた。その一方で、運動機能をカバーする一次運動野の活動は減少していた。つまり研修医は手術シミュレーション課題において考えながら取り組んでいたのである。
反対に、熟練したベテラン外科医は手術シミュレーションにおいて運動皮質の活動が活発になっていた。つまり熟練外科医はあまり考えることなく、経験に基づいて自然に身体が動いているのである。
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この頭皮を傷つけることのない脳スキャンは、外科医が特定の技能を有するかを予測するのに役立ち、また他のタイプの専門家、例えばドライバーやパイロット、アスリートなどにも適用され得るものになる。
またこのスキャンによって脳と技能の関連性への理解が深まることで、外科手術の効果的なトレーニング法が開発できる可能性も開かれている。
「さらにこれらの方法は、リハビリテーション、脳コンピュータインターフェース、ロボット工学、脳卒中、リハビリテーション療法などの他の分野にも容易に適用することができます」と研究チームは言及している。
未来の就職面接や各種の試験で脳スキャンが課されるとすれば複雑な思いもするが、まだまだ謎が多い我々の脳への理解はこうして着実に進んでいるようだ。
(文=仲田しんじ)
参考:「WSJ」、「Medical Xpress」、「Pursuit」、ほか
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