下水のせいで「魚たちがセックス狂になる」可能性が浮上! 異常な性欲が… 原因はまさかの医薬品!
現代人の生活は医薬品に囲まれているともいえるが、こうした各種の医薬品が環境を汚染している問題が昨今よく聞かれるようになってきた。最新の研究結果として医薬品による水質汚染で魚の行動が変化することが報じられている。水が抗うつ薬に汚染されると魚が“好色”になるというのだ。
■深刻化する医薬品汚染
海洋のプラスチック汚染と並んで深刻な問題になっているのが自然環境の医薬品汚染である。先進国をはじめとする多くの現代人は医薬品が手放せない生活を送っているが、今後もますます医薬品の生産量は増え続けると予測されている。ある予測によれば2020年までには2015年の時点の医薬品生産量の124%に達するという。
使われなかった医薬品は適切に処理されなければならないが、残念ながら医薬品由来の多くの化学物質が自然環境に撒き散されている。2014年の調査によれば世界71カ国において自然環境中で600もの医薬品由来の化学物質を検出することができるということだ。
こうして環境中に放たれた化学物質は生物と生態系にどんな影響を及ぼすのか。オーストラリア・モナシュ大学、マッコーリー大学、フィンランドのオーボ・アカデミー大学の合同研究チームが先日「Science of The Total Environment」で発表した研究では、抗うつ薬の成分がメダカにどのような影響を与えるのかを探っている。
欧米で市販の抗うつ薬として広く使われているプロザック (Prozac) はもちろん商品名であり、その正体はフルオキセチン(Fluoxetine)という薬剤である。特にアメリカでは抗うつ薬の使用が増え続けており、今では下水処理水にも微量のフルオキセチンが混入しており環境中へと放出されている。
フルオキセチンが混入した水質は魚にどんな影響を与えるのか。研究チームはオスのメダカ(アメリカメダカ、カダヤシ)をそれぞれ低レベルと高レベルのフルオキセチンを混入した水槽に入れて35日間飼育し、身体と行動の変化を観察した。フルオキセチンに晒されたメダカたちにいったいどんな変化がみられたのか。
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