【実録】「ゴミ屋敷で死んだ債務者」の“謎の死に様”を不動産執行人が語る! 事故物件よりもウツになる「暗黒物件」シリーズ
開けられた玄関より内部を覗くと、確かに内部はゴミ屋敷化していたが、雨漏りと蚊やハエといった虫の大量発生の方が遥かに気にかかる。
そのため土足での入室が検討されたが、「一面畳敷きですし、一応スリッパで入りましょう」との決断が執行官より下された。
注文住宅のようで狭い平屋建てながらも縦のスペースが活用されていたり、空間が上手に切り取られていたりと間取り自体は悪くない。
室内には雨漏りによる痛みとゴミによる足場の悪さ、不快な臭気、なにより体にまとわりつく虫の煩わしさ。これらからいち早く開放されたいとの思いが強かったか、膝丈まではあろうかというゴミの上をズンズンと突き進む執行官。
奥の部屋に差し掛かる頃、けたたましい叫び声が響いた。
「ネ、ネズミぃぃぃいいいいいぃいいいぃいぃぃ!!」
普段から隙がなく窮屈さすら感じさせるほどのダンディーな執行官が、どこかの猫型ロボットのような悲鳴を上げ慌てふためき逃げ惑う姿は実に滑稽で、現場には珍しく執行人たちの笑い声が溢れることに。
執行官がネズミに驚かされた奥の部屋へと進むと、確かにアチラコチラでゴミの中がガサゴソと動いており、時折ネコほどもあろうかという大きなネズミが我々の侵入に驚き走り回る姿を見せた。
この日の不動産執行は雨脚に加え虫やネズミの影響もあり、近隣に対する境界トラブルの聞き込み調査は後日に回されることになり、いそいそと片付けられた。
「いやあ、みっともない姿をお見せしてしまって。今日は土足にすべきでしたね」
ダンディーな執行官から珍しく笑い話での締めという手土産をもらい、各々が現場を後にした――。
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2024.10.02 20:00心霊【実録】「ゴミ屋敷で死んだ債務者」の“謎の死に様”を不動産執行人が語る! 事故物件よりもウツになる「暗黒物件」シリーズのページです。死体、借金、ニポポ、不動産執行、暗黒物件などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで