【実録】「ゴミ屋敷で死んだ債務者」の“謎の死に様”を不動産執行人が語る! 事故物件よりもウツになる「暗黒物件」シリーズ

――DV・自殺・暴力団・宗教・統合失調症…事故物件よりも鬱になる「暗黒物件」の闇を“不動産執行人”ニポポが語り尽くす…!

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 借金や住宅ローン返済の滞りから発生した、不動産の差し押さえを行う「不動産執行」。

 この仕事で一番厄介なことはなんですかと問われれば、多くの執行人がこう答えるだろう。

「死体の第一発見者になること」

 もちろん執行中の出来事であるため、殺人の嫌疑がかかるようなことは無いのだが、警察への報告義務が生じるだけでなく、そのまま死体の隣で作業を続行しなければならないケースも多いということで、なんと言っても気分がよろしくない。

「臭いは?」と臭気を気にかけてくれる方も多いのだが、既に臭気を発しているような死体であれば、近隣からの通報が入り発覚している事例がほとんど。

 とはいえ、我々も普段からゴミ屋敷、汚物、大小様々な動物と臭気に晒されているため、少々鼻が“バカ”になっているのかもしれない。

 今回はそんなことを改めて痛感させてくれた物件を一つご紹介。当該物件の債務者が、一体どういう経緯で不動産執行に至ったかは“とある理由”(後述)から、執行人である私(ニポポ)にも分からないが、物件そのものの衝撃度は群を抜いていた。

 この日の不動産執行は長雨の影響もあり、全員に手早く終わらせてしまおうという思いがあった。

 某地方都市のかつては飲み屋街だったのであろう横丁。駅チカながらも人口減のため客足は遠のき、看板を下ろすことなく出ていった空きテナントの並ぶ区画に、なぜかポツンと佇む平屋建てが当該物件だった。

 今回はベテランの鍵師、ダンディーな執行官、やたらとにこやかな立会人、そして若手の不動産鑑定士という執行人チーム。

 このダンディーな執行官はいつも着る服のセンスも若々しく、車もピカピカに磨き上げられたおしゃれなSUV、なにやら隙を感じさせない人物として知られていた。

 建物をぐるりと見渡すと、窓の施錠が甘かったため、鍵開けは窓から行われることに。雨の影響で緩和されてはいたが、外周の苔やカビなどからも相当湿気の溜まりやすい物件であることが伺える。

「ゴミ屋敷になってるんで、気をつけてください」

 早々に解錠を済ませた鍵師よりアナウンスが入る。

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