【決定版】最強の集中“フロー状態”に突入する方法とは!? 我欲消失、時間が飛び、自動的に体が… 3つの条件を徹底解説

■本当にしたいことをすればフローに入れる

effortlesscreativity3.JPGミハイ・チクセントミハイ氏 画像は「Wikipedia」より

 誰もがこれまでの人生で一度ぐらいはフローを体験したことがあると思うところだが、ある調査では15%の人々は一度もフローを体験したことがないということだ。その一方で、少数の恵まれた人々は、自ずから積極的にフローに入れる方法を模索し、その結果、数多くフローを体験しているという。そうした人々は自己目的主義的(autotelic)なパーソナリティーであると考えられている。

 自己目的主義者は人間の主な性格特性であるビッグファイブ(神経症的傾向、外向性、経験への開放性、協調性、誠実性)の外向性と誠実性のスコアが高く、神経症的傾向と協調性のスコアが低いと考えられるという。

 外向的なのに協調性が低いというのが気になるが、それこそが自己目的主義者の特徴で、ある程度の自己中心性と傲慢さを備えているのだ。このパーソナリティーは「ひねくれ者の創造性(cantankerous creative)」ともいわれている。

 こうした自己目的主義者ではない者が積極的にフローを追求するにあたって、なにか良いアドバイスはないものだろうか。このヒントのひとつに「快楽主義のパラドクス(paradox of hedonism)」があるという。快楽主義のパラドクスの知見によれば、幸福を追い求める行為は直接的な幸福をもたらさず、むしろしたいことができたときの副産物として幸福がもたらされるという。

 したがってフローを味わいたいのであれば、本質的に自分が報われる好きな課題に挑むべきであるということになる。自分にとって必然性を感じる課題に真剣に挑むことでフローに入れるのである。ただ楽しみを求めて面白半分で何かをしてもフローには入れないのだろう。つまりフローを追い求めるよりも、仕事でも趣味でもスポーツでもまずは熱中できる対象を探すことが先ということにもなりそうだ。
(文=仲田しんじ)


参考:「Big Think」、ほか

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
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