「ニワトリとタマゴ、どちらが先か」問題で量子論がついに最終解答! 「原因→結果」を超えた“非限定的因果順序”とは!?
イメージ画像:「gettyimages」より■物事の順序は決まっていなかった
この量子的重ね合わせ状態を実験室で証明するため、研究チームは「量子スイッチ(quantum switch)」を作成した。
クイーンズランド大学のファビオ・コスタ博士によれば、この量子スイッチで、光の形が変換され光の通り道(出来事の順番)を“偏光”に依存させるという。偏光(polarisation)によって物事の順序が変わるのである。
「量子スイッチの出力で光子の偏光を測定することにより、光の道の順が設定されていないことを示すことができました」(ファビオ・コスタ博士)
つまり“偏光”の側から物事を見ると、出来事の順番というのはあらかじめ設定されているものではないことが明らかになったのだ。物事の順番は決まっていなかったのである。
「Phys.org」の記事よりサイエンスライターのエイドリアン・チョウ氏によれば、2つの事象が1カ所に同時にとどまっているこの量子的重ね合わせ状態は、私たちの常識を棄却し、因果関係の概念を混乱させる可能性があることを指摘している。
チョウ氏の言葉を待たずとも、不可解で奇妙な量子論の世界なのだが、実用的なコンピューティング技術としても期待されている。
「これは原理の最初の証明に過ぎませんが、より大きなスケールでは、“非限定的因果順序”はコンピュータの効率化やコミュニケーションツールの改善など、実際のアプリケーションに大いに貢献する可能性があります」(ファビオ・コスタ博士)
今回の量子スイッチの技術は“量子コンピュータ”や“量子コミュニケーション”につながる技術ということで、今後の研究にも注目が集まる。
(文=仲田しんじ)
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