「クジラの座礁は地震と関係なし」東海大の発表は間違っている! これでいいのか、徹底反論!

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 大地震の前兆ではないかと囁かれるクジラやイルカの集団座礁、実は地震とは関係ない――そんな研究結果を、東海大学などの研究チームが日本地震学会で発表した。東日本大震災の7日前に茨城県の海岸で52頭のイルカが座礁した例をはじめ、複数の過去データを調査した結果、集団座礁と地震の発生には相関性が見られないと結論づけたのだ。長年にわたり地震の前兆現象を研究してきた筆者にとって、この内容は許容しがたいものだ。


■データを分析した(?)結果得られた「偶然」という結論

「クジラの座礁は地震と関係なし」東海大の発表は間違っている! これでいいのか、徹底反論!の画像2画像は「東海大学」より引用

 今回の研究結果は、東海大特任准教授の織原(おりはら)義明氏をはじめとする研究チームが、10月9日に福島県郡山市で開かれた日本地震学会で発表した。チームは、1923~2011年にかけて国内で2頭以上の鯨類が同時に浜辺に打ち上げられた48件の事例を分析した。該当期間中に座礁現場から半径200km以内で発生したM6以上の地震は429回あったが、座礁から30日以内に発生した地震はわずか2回しかない。そのため、集団座礁と地震の発生に相関関係を見出すことはできないとの結論に達したという。織原氏は、「前兆を捉えていないとまでは言い切れないが、集団座礁を防災に役立てるのは難しい」(毎日新聞、2018年10月11日)と語る。

 また、チームは東日本大震災の発生7日前となる2011年3月4日、茨城県鹿嶋市の下津海岸にイルカ52頭が打ち上げられたケースも検討している。そして、過去の鹿島灘の集団座礁とその後の地震発生状況、さらに岩手県などの近県における単独の座礁例などを調べ上げた結果、「偶然」と判断したという。


■発表は間違っている! データで反論

 しかし、このような調査結果には大いに疑問が残るところだ。筆者は長年、動物の異常行動と地震について特に入念にデータを収集し、調査してきた。その結果、海洋生物、とりわけクジラ・イルカ・サメ類は、大地震の前に座礁するケースが多いことが判明している。以下に、今回の研究に対するいくつかの反論を提示する。

 まず、わずか一度限りの研究で「0か1か」の決定論的結論を導き出すのは無理があるのではないか。チームは「鯨類が2頭以上同時に浜辺に打ち上げられた」という条件のもとでデータを収集したようだが、なぜそのような制約を設ける必要があったのか。地震前兆としての座礁を「集団」であると限定せず、単体の座礁例も含めれば、まったく異なる傾向が見えてくるはずだ。

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 また、「半径200km以内で発生したM6以上の地震」という条件にも異議を唱えたい。筆者は、クジラやイルカのストランディング(座礁)が“M6以上の地震が差し迫っている場合にのみ引き起こされる”とは考えない。たとえM4クラスでも、震源から近ければクジラ類や魚類の方向感覚が狂う可能性があると慎重に仮定すれば、やはり異なる傾向が浮き上がってくるはずではないか。

 では、実際に筆者が指摘した点を踏まえて座礁と地震の関係について改めて考察してみよう。たとえば、「座礁から30日以内かつ200km以内」という条件を維持したまま、「M6以上」を「M4以上」に変えるだけでも、多くの対応例が見つかるではないか。下関鯨類研究室がウェブ上で公開している「ストランディングデータベース」のうち、茨城県の鹿島灘付近に限っても、ごく短時間の作業で下記のような真実が見えてくる。

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