JR福知山線脱線事故が遺した沖縄差別の歴史と記憶! なぜ、沖縄人は本来の名前を隠すのか?

 2005年4月25日、兵庫県尼崎市JR西日本の列車が脱線、一部車両が線路脇に立つマンションに激突するという凄惨な事故が起き、乗客と運転士合わせて107人が死亡、562人が負傷するという大惨事となった。この福知山線脱線事故が今、改めて注目されており、今月11日の世界仰天ニュースでも取り上げられるという。

 この事故はJR西日本の暗部を白日の元に晒し出した。事故の原因はスピード超過とブレーキ操作の遅れだったとされるが、その背景には「日勤教育」と称する乗務員に対する過酷な教育があったのだ。ライバル各社との競争もあり、JR西日本は所要時間の短縮や運転本数の増加などを打ち出した一方、目標を達成できない社員に対し、ノートに社訓をひたすら書き写させる、トイレにも行かせず声かけを続けさせるなど、見せしめ・晒しともいえるような過酷かつ無意味な「教育」を行ったのである。

 福知山線脱線事故の運転士も過去にこの日勤教育を受けており、周囲にその過酷さと辛さをもらしていた。彼は事故直前に伊丹駅でオーバーランを起こしている。このミスで再び日勤教育を受けることを恐れ、さらにダイヤの遅れを取り戻すためにも、危険なカーブがあるにもかかわらずスピードを超過させた結果、事故を起こしてしまったというのだ。

 この事故は日本が抱える様々な問題、例えば安全をおそろかにする企業体質や過密ダイヤなどを明らかにした。だが、事故によって光が当たったのはそれだけではない。この「土地」が抱えている歴史や忌まわしい記憶も図らずも浮かび上がったのである。その一例を取り上げた記事を以下に再掲する。悲惨な大事故は時として、巻き込まれた人々や企業、さらにはその土地についてまで、様々な「暗部」を浮き彫りにしてしまうのである。

(編集部)

参考:「Wikipedia」ほか

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分析心理学の父、カール・グスタフ・ユングは、「シンクロニシティ」という概念を唱えた。一見、関連がないように見える事象が相互につながり合っていることを説いたのだ。かつてメディアを賑わせた凄惨な事件や悲劇的な事故。その現場に残された〝遺物〟をたどると、忌まわしい記憶と、我々が過ごす平凡な日常をシンクロさせる見えない糸が浮かび上がってくる。事件記者が綴る暗黒のアナザーストーリー「悲劇の現象学」シリーズ

JR福知山線脱線事故が遺した沖縄差別の歴史と記憶! なぜ、沖縄人は本来の名前を隠すのか?の画像1画像は、JR福知山線脱線事故「Wikipedia」より

【第4の遺物 福知山線脱線事故と沖縄】

 死者107名、負傷者562名を生む大惨事となった福知山線脱線事故が起きて、まる9年がたった。

 スピードと効率を最優先し、安全意識を疎かにするJR西日本の企業体質や、「日勤教育」と呼ばれる乗務員への懲罰制度、過密ダイヤ…。事故原因が追及されていくのに伴い、日本の交通インフラが抱える構造的問題をも浮き彫りにした。

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