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大阪ミナミのトップ半グレ「アビス」55人逮捕解説・リーダーは別にいる!? 最恐の暴力団組織…元メンバーにも取材！

2018.12.26 08:00

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●アビス摘発事件の真相

　さて、55人が逮捕された事件は大きく報道されたが、摘発した側もマスコミも裏側を知らず事件を追っている。そのため、この摘発事件は「アビスVSアウトセブン」を中心とした半グレの抗争だと思われているようだが、実は環状族が大きく絡んでいるのだ。

　なぜここまで関係性が複雑なのか。それはやはり、「ヤンキー」という言葉も大阪が発祥というように、関西地方では暴走族文化が悪い意味で根付いているからだ。

　たとえば、大阪の岸和田市で毎年11月3日に毎年行われるイレブンスリー（毎年11月2日の深夜～未明にかけて、大阪府岸和田市の国道沿いで集団暴走するイベント）なども社会的な問題となるほど有名た。毎年摘発が行われて、今では尻すぼみになってきているが、岸和田市を走る国道26号をこの日に亡くなったメンバーを追悼する意味で暴走行為を行い続けている。彼らが摘発される動画はネットを中心に「警察と戦うアビス」などと間違った情報でTwitterを中心に拡散されたが、その動画もアビスではない。つまり、さまざまな情報が錯綜しているのが今の大阪の半グレ事情なのだ。

　もう少し実態に迫ろう。

●アビス摘発事件の真相

　読者的に一番興味があるのは、アビスの“リーダー格”と警察から認定された少年（当時19）がまだ若く、組織を率いる統率力が本当にあったのかということではないだろうか。その点を「アビス」の元メンバーに問いただすと、

「名前も実態も私の口からは話せませんが、リーダーは別にいます。組織力も表向きは解散していますが維持しています。報道もされていないから名前も表には出ていません」と重い口を開いた。

「アビス」のリーダーとされる少年については、元々大阪市鶴見区を本拠とする「大阪連合」のリーダーで、それが後の「アビス」だと報じているニュースもあるが、実際に話を聞くと「何人かはアビスに入っているでしょうが、大阪連合はそもそも暴走族ですからちょっと違います」（アビス元メンバー）と語っている。

　筆者の取材では、元々「アビス」は解散した元格闘技グループが準指定暴力団の指定を避けるため、いくつかのグループに分かられた中の一つ。その中で「アビス」と「アウトセブン」が最大勢力になったというものだ。ゆえに、「アビス」「アウトセブン」のメンバーが一番恐れている存在は暴力団ではなく、この元格闘技団体関係者であろうと推測される。

　大阪の半グレをみると、「アビス」「アウトセブン」以外の半グレと呼ばれている団体は、「アビス」「アウトセブン」の姿を見かけると街から逃げ出すととい話も聞く。それほどこの2グループは最大勢力なわけで、報道ではこの2つのグループが対立しているという内容も多く存在するが、実際はどうなのか？

「対立している時期もありましたね。アウトセブンは少数精鋭で解散した元格闘技団体の幹部を中心としたグループでアビスは人数だけ多いグループ。それらが個人的に付き合っている暴力団に煽られてバチバチやりあっていた時期もありましたが、実際は仲がいいですよ。そして、環状族は半グレと一括りにされていますが、彼らは半グレと違って表には出ないで正当で儲かる事業を行っている人間が多い」とA氏は裏事情を説明した。

　暴力のヒエラルキーの頂点には暴力団が存在しているというのが、この世界では定説になっているが、その意味では、解散した元格闘技団体幹部には多くの暴力団関係者もいるため、その秩序はまだ保たれているのではないか。今回摘発された準暴力団「アビス」がぼったくりのガールズバーなどの利益の一部を上納していたことでも、ヒエラルキーのトップが暴力団という定説が立証されしまったわけだが、先のA氏はこうも語っている。

「アビスが一部の指定暴力団に面倒を見てもらっているということはないでしょう。組織に縛られていたら半グレをやっている旨味がありません。個人的に仲のいい組織と都度付き合っているだけですよ」（A氏）

　ミナミで半グレが天下を取っているような報道も見受けられるが、それは明らかなるミスリードだ。準暴力団「アビス」の元メンバーが語っているように、実態の解明はまだまだ時間がかかるであろう。
（文＝エイチ）

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