押入れの中に“得体の知れない何か”がいる ― 不動産執行人が暴露した、実在する「絶対に近づけない押入れ」の恐怖体験!
――DV・自殺・暴力団・宗教・統合失調症…事故物件よりも鬱になる「暗黒物件」の闇を“不動産執行人”ニポポが語り尽くす…!
最大限の努力で物件に関する不明点は潰す。
これが差し押さえ・不動産執行の現場では徹底されており、調査も公的な「執行」であるため、取引上の不明点や、不動産取扱に関する情報不備などはほぼ完璧に潰される。
そのためイメージの悪い「競売」ではあるが、民間不動産取引でありがちな後から「話が違う」「こんなはずではなかった」といったすれ違いは圧倒的に少なく、実は安全性も高い。
とはいえ、これらに当てはめて考えにくい事案もいくつか存在する――。
この日の物件は古い農家住宅。
最寄り駅は遥か遠くに存在し、相当前に親の他界で相続されたという今回の当該物件は奇妙な形で土地を切り分けられており、兄が所有する母屋の玄関と縁側だけが何故か弟の敷地内へと越境していた。
越境と言っても明確な境界線が設けられているわけではなく図面上のもの。立派な門をくぐると広い敷地内には右手に兄の母屋、左手に弟の分家、その他にも納屋や物置に蔵、厠などが点在しているという状況だった。
債務者である兄とは連絡がつかなかったため、弟に立会を求めてはみたのだが、不仲を理由に「行きたくない」「やっぱり行ってやってもいい」「やっぱり行かない」と態度を二転三転。
最終的に当日朝には「行くわけ無いだろ!」と声を荒げていた。
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