「人型のコーヒーの染みです」、報告されない“孤独死住宅”の闇を不動産執行人が暴露! 事故物件よりもウツになる「暗黒物件」シリーズ

――DV・自殺・暴力団・宗教・統合失調症…事故物件よりも鬱になる「暗黒物件」の闇を“不動産執行人”ニポポが語り尽くす…!

「人型のコーヒーの染みです」、報告されない孤独死住宅の闇を不動産執行人が暴露! 事故物件よりもウツになる「暗黒物件」シリーズの画像1画像は「Getty Images」より引用

 不動産差し押さえ不動産執行の仕事をしていると、人が死んだ直後の現場、特に孤独死のあった現場に立ち入ることも多いため、よく心配される。

「お祓いには行ってる?」
「ちゃんと塩まいてる?」

 私自身もそうだが、不動産執行に関わる人間の大多数が一度もこの件でお祓いに行ったことがない。もちろん塩をまいたことも盛ったこともない。

 それどころか、ここで人が死んでいたという情報自体もメモをしたそばから忘れている。

 それくらいの感覚で成り立っている。

 聞く人が聞けば不謹慎極まりない内容なのだろうが、気にしていても始まらないし、怖がる理由もない。

 また、このように人が死んでいた場合の物件に適用される割引率も大まかには決まっている。

 購入者も同様で、一定の水準まで値段を下げると「人が死んでいた」という心理的瑕疵(かし)を気にしない購入希望者が殺到するのだ。

「信じられない」「怖くないのか」「買う人の気が知れない」「気持ち悪くないのか」

 価値観を疑うものも一定数いるようだが、物理的な瑕疵がなく、心理的な瑕疵のみで大きな割引が得られるということは不動産市場に於いてメリットと言える部分も大きい。

 そんな人の死に係る物件は「心理的瑕疵物件」「事故物件」と呼ばれ、購入希望者や賃貸希望者への報告義務があると言われているが、この「報告」しなければならない心理的瑕疵に明確な定義はなく、結果的に報告されないままとなる事例もいくつかある――。

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