スラムのギャングたちに10年間密着して撮れた“ホマンチコ”な瞬間とは!? 「クレイジージャーニー」写真家・伊藤大輔インタビュー!

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■ファベーラの男たちの意外な一面

――ファベーラに住んでいる男性たちは、日本の男性とどう違いますか?

伊藤  みんな男性優位の古いマッチョな環境で生きてるんだけど、金や女性に対する欲求が素直。そこに向けるエネルギーがすごい。女の子とキスする前には、自分のタバコの匂いを気にしたりとか、そういうところは日本人よりちゃんと見えてたりする。

 時間にルーズな面はあるけど、そういうのって、たとえば何かの予定の直前に友達と会っていたらその友達との時間を大切にするから、やっぱり遅れちゃうんだよね。ファベーラの知り合いと一緒に海に行こうとしても、途中でいったい何人の友達に会って抱擁を交わすんだよって思うほどだから。

――ギャングの人たちが一番恐れているものは何でしょうか?

伊藤  母親とか、嫁さんとか(笑)。男尊女卑的な環境に生きているとはいえ、身近にいる肝が据わった女性にはやっぱり頭が上がらなかったりするんだよね。

 あとはまぁ、警察の特殊部隊かな。普通の警察官と違って、ドクロのマークつけて、最新鋭の銃を持って軍隊みたいにして来るのよ。恐がりつつ、リスペクトもしている印象だね。


■父親として、プロの写真家として

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――危険な地域に移り住んで撮影をしたり、そこで子育てすることについて、奥様はどのように感じていたのですか?

伊藤  もともと妻もブラジルに住んでいたことがあったし、オレが無茶しないのは分かってるからね。「危険とか言ってないでもっと撮りにいきなさいよ」なんて冗談で発破をかけられたほど。「そんな簡単に言うなよ」って言い返してた(笑)。

 長女も向こうに行ってからすぐに生まれて、5歳までファベーラに住んでたから逞しくなったと思う。向こうではYouTubeも日本語じゃなくてポルトガル語の動画しか見せてなかった。2016年のオリンピックを挟んで治安が良くなってくる時期だったからちょうど良かったのかもしれない。今はまた治安が悪くなって……まあ、元に戻っただけなんだけど。

――いまは誰でもスマホで衝撃的なシーンを即座に高画質で撮影して、SNSなどで共有することができます。そういう時代に、写真家にはどのような違いが求められているのでしょうか?

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