スラムのギャングたちに10年間密着して撮れた“ホマンチコ”な瞬間とは!? 「クレイジージャーニー」写真家・伊藤大輔インタビュー!

スラムのギャングたちに10年間密着して撮れたホマンチコな瞬間とは!? 「クレイジージャーニー」写真家・伊藤大輔インタビュー!の画像5


伊藤  スマホでもちゃんといい写真は撮れる。すぐにシャッターを押せるかという点でレスポンスが遅かったり、暗いところが弱かったりするけど、スマホで十分なシーンも多い。
いま日本でやってる新しいプロジェクトは、オレもスマホで撮ってるからね。

 ただ、機材云々ではなく、そもそもスラム街では最高にいいと思うシーンは撮影できないもの。被写体に間合いを詰めて撮らないといい写真は撮れないから、スラムでは危険すぎて。スラムを撮るのが「コスパ悪い」っていうのは、まさにそういう意味で。

 結局、その時その時で一番適した機材を使って、最大限の表現ができるかどうか。それがプロとしてのやり方なんだと思う。

――トカナ的な質問となりますが、伊藤さんはファベーラで理屈では説明できない不思議な経験などありましたか?

スラムのギャングたちに10年間密着して撮れたホマンチコな瞬間とは!? 「クレイジージャーニー」写真家・伊藤大輔インタビュー!の画像6伊藤大輔氏(撮影=編集部)

伊藤  オレはそっち方面はあんまり信じてないから、語る資格はないと思う(笑)。

――最後に、写真集を完成させた今の率直なお気持ちは?

伊藤  やっと成仏できましたって感じですね。ブラジルで過ごしたオレの10年を成仏させて、これでやっと次に行ける――と。いま日本で新しいプロジェクトを始めてるので、今年はそれに全力で打ち込みます。ようやくファベーラから離れて、日本をまっさらに見れるようになった気がするし、気合い入れてやりますよ。

――次の作品も楽しみにしています! ありがとうございました。

(取材・文=里中高志)


※ 伊藤氏が撮影中に“一番ヤバかった”瞬間を明かしたインタビュー前編はコチラ(写真も多数)!


伊藤大輔(いとう・だいすけ)
1976年、宮城県仙台市生まれ。明治大学卒業後、スペイン、バルセロナのIDEPにて2年間写真を学ぶ。その後、中南米に渡り、ブラジル・リオデジャネイロのスラム街にて活動を開始し写真家となる。2016年帰国。
オフィシャルサイト http://saudade-foto.com/

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