【実録】他人になりすまし、他人の家に住み、他人として死んでいく…「なりすまし生活者」の実態を不動産執行人が暴露!
そのまま執行官が痩せ型初老男性から手渡された電気料金の請求書を確認すると、使用期間の欄には10年も前の年月が記されていた――。
すると、あの痩せ型初老男性は一体……。
そのまま多少の警戒感を携えつつ彼の居住する部屋へと戻ると、すでにそこはもぬけの殻。わずか数分の間に身の回りのものを持ち、忽然と姿を消してしまったのだ。
この後、2~3回該当の部屋を訪ねたのだが、結局彼が戻ってきた形跡は確認できなかった――。
このまま記憶の彼方へと追いやられていた痩せ型初老男性の存在が、再び話題に上がったのは、執行から約半年後。競売も無事に終わり、落札業者への物件明け渡しが行われた際。
該当の部屋から痩せ型初老男性の遺体が発見されたのだ。
どうやら彼は10年ほど前に住んでいた人物が残していった痕跡をもとに、その人物になりすますことで生活していたようなのだが、結局本来の彼が何者なのかという点は不明のまま。遺体の状況からも事件性は認められなかったため、最終的に彼の死は身元不明人の病死として処理された――。
他人になりすまし、他人の家に住み、他人として死んでいく。彼が何時、どのようなきっかけで本来の自分を捨てることになったのかは分からないが、この仕事をしていると、そんな“何者でもない人物”に時折出会う。
そして、このような“何者でもない人物”に出会う機会は、増えつつあるようにも感じる。
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2024.10.02 20:00心霊【実録】他人になりすまし、他人の家に住み、他人として死んでいく…「なりすまし生活者」の実態を不動産執行人が暴露!のページです。死体、なりすまし、ニポポ、不動産執行、暗黒物件、空き部屋、不可解などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで