破産者マップについて事故物件サイト大島てるが緊急コメント「私が運営しなかった最大の理由」とは!? 弁護士見解も
■山岸弁護士の見解
勝手に、他人の破産情報をインターネット上に掲載した場合、名誉毀損を理由とする民事上の不法行為責任(民法709条)を負う可能性があります。この場合、数十万円から百数十万円の損害賠償義務を負うことになります。
これに対し、「官報」に掲載され、公の情報として知られているのであれば、名誉毀損もへったくれもないという意見もあるかもしれません。
しかし、名誉毀損は、「真実」を広めた場合であっても成立することがあるのです。
例えば、「あいつは、中学生の時、テストはいつも0点だった」という表現が「真実」であったとしても、その人の「社会的評価」を下げる結果となるのであれば、名誉毀損が成立する場合があるのです。
少し前になりますが、ショーンKこと、ショーンマクアードル川上こと、川上伸一郎さんは、父親が米国人で、ハーバードビジネススクールを出て、世界7か所でコンサル会社を経営していてなどというウソの経歴で報道ステーション(テレ朝)などに出演していましたが、「ショーンKの経歴はインチキである」と表現したとしても、「ハーフで、立派な大学を出て、コンサルの手腕があるショーンK」という「社会的評価」を下げる場合には、名誉毀損は成立する場合があります。
もっとも、この「あいつは中学生の時、テストはいつも0点だった」や「ショーンKの経歴はインチキである」という表現が、公益目的があり、且つ、公共性がある場合には、この表現の「違法性」が阻却されると考えられています。この場合、不法行為責任も、刑法上の名誉毀損罪(刑法230条)も成立しません。
このように、その人の「社会的評価」を下げる真実なのかどうか(なお、真実でなかったら、名誉毀損は成立しやすくなります)、「社会的評価」を下げる真実であったとしても、それに公益目的があり、且つ、公共性があるのかどうかによって、名誉毀損が成立したり、しなかったりします。
では、今回の「破産者マップ」ですが、「破産した」という事実は、たとえ真実であったとしても、その方がどこに住んでいるという表現は、はたして公益目的や公共性があるでしょうか。
まぁ、政治家であったり、有名な経営者であったりする場合にはそうかもしれませんが、一般人が破産したという情報に公共性があるとは思えませんね。さらに、「この一般人は破産しています」と公表することに公益性があるとは到底思えません。
結局、「消してほしかったら、カネ払え」などという“匂い”がしてきます。というわけで、これはアウトです。
山岸氏は破産者マップに名誉毀損の可能性があるとしているが、実際、インターネット上では実際に集団訴訟の動きも始まっている。また山岸氏の指摘通り、金銭目的や破産者の個人情報収集のための悪質なトラップではないかとの疑いの声も強い。サイトには運営者の名前や連絡先住所などの記載はなく、削除申請者の個人情報が適切に扱われている保証もない。
運営者・製作者の素性も、その意図もわからぬまま公開され続けている破産者マップ。一部情報によると、過去にも数度似たようなサイトが立ち上げられては消えていったという。今回のサイトも削除されたようだが、この騒動によって、個人情報の扱いをめぐる問題が改めて浮き彫りになったのは間違いない。
●大島てる
事故物件公示サイト「大島てる」代表 http://www.oshimaland.co.jp/
●山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士
時事ネタや芸能ニュースを、法律という観点からわかりやすく解説することを目指し、日々研鑽を重ね、各種メディアで活躍している。弁護士法人ALG&Associates執行役員として法律事務所を経営し、また同法人によせられる離婚相談、相続問題、刑事問題を取り扱う民事・刑事事業部長として後輩の指導・育成も行っている。芸能などのニュースに関して、TVやラジオなど各種メディアに多数出演。また、企業向け労務問題、民泊ビジネス、PTA関連問題など、注目度の高いセミナーにて講師を務める。労務関連の書籍では、寄せられる質問に対する回答・解説を定期的に行っている。弁護士としては、企業法務、交通事故問題、離婚、相続、刑事弁護など幅広い分野を扱い、特に訴訟等の紛争業務にて培った経験を様々な方面で活かしている。
【公式サイト】https://www.avance-lg.com/lawyer/lawyer_yamagishi.html
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2024.10.02 20:00心霊破産者マップについて事故物件サイト大島てるが緊急コメント「私が運営しなかった最大の理由」とは!? 弁護士見解ものページです。大島てる、破産者マップ、官報、山岸純などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで