太陽系を“狙って”やって来た!? 恒星間天体『3I/ATLAS』は「異星人の探査機だ」とするハーバード大教授の主張

先日、太陽系に突如として現れた奇妙な恒星間天体。その正体をめぐり、ハーバード大学の著名な物理学者が「あれは自然物ではない。異星人の宇宙船の可能性がある」と主張し、科学界に大きな波紋を広げている。
「3I/ATLAS」と名付けられたこの訪問者は、直径約20kmという驚くべき大きさで、別の恒星系から何十億年もの旅をしてきたと考えられている。果たしてこれは、ただの巨大な岩石か、それとも我々へのメッセージを携えた未知のテクノロジーなのか。
巨大すぎる訪問者、その統計的な矛盾
この天体が「普通ではない」最大の理由は、その大きさにある。もしこれが岩石のような固い天体だとすれば、その直径は約20km。これは、2017年に話題となった初の恒星間天体「オウムアムア」の実に200倍もの大きさだ。
この事実に、ハーバード大学のアヴィ・ローブ教授はすぐさま疑問を抱いた。「大きな天体は、小さなものより遥かに希少なはずです」と彼は語る。
統計的に言えば、直径20kmクラスの天体1つに対して、オウムアムア(直径100m級)サイズの天体は、約100万個存在するはずだ。ローブ教授は、「我々は100万個のオウムアムアを見る前に、この巨大な天体を発見してしまった。これは非常におかしい」と指摘する。
さらに、彼は驚くべき計算結果を示した。もしこのサイズの岩石天体が銀河系にありふれていると仮定すると、その総質量は、なんと銀河系に存在する全恒星の質量の4分の1にも達してしまうという。しかし、岩石を形成する重元素は、恒星全体の質量のわずか2%に過ぎない。つまり、物理的に「ありえない」のだ。

「これは偶然ではない」ローブ教授の宇宙船説
これらの統計的、物理的な矛盾から、ローブ教授は大胆な結論を導き出した。それは、「この天体は、偶然太陽系にやって来たのではない」というものだ。
「この物体は、まるで太陽系の内側を“狙って”やってきたかのようです。問題は、なぜ太陽系に向かって送り込まれたのか、ということです」と彼は問いかける。つまり、何らかの技術的な設計によって、意図的に進路を定められた可能性を示唆しているというのだ。
ローブ教授はこの状況を、SF作家アーサー・C・クラークの名作『宇宙のランデヴー』になぞらえる。この小説では、太陽系に飛来した謎の恒星間天体が、実は高度な文明によって作られた巨大な宇宙船だったことが判明する。

主流派の冷静な反論「正体はただの彗星だ」
もちろん、科学界の誰もが宇宙船説に賛同しているわけではない。NASAやヨーロッパ宇宙機関(ESA)を含む多くの天文学者は、より現実的な説明をしている。それは、3I/ATLASの正体が「彗星」であるというものだ。
もしこの天体が彗星であれば、太陽に近づくにつれてその熱で氷や塵が蒸発し、本体の周りに明るく輝く「コマ」と呼ばれるガス層を形成する。このコマが光を強く反射するため、中心にある核(本体)が実際には小さくても、観測上は非常に大きく明るく見えるというわけだ。
ローブ教授自身も、これが「最もシンプルで、最も可能性の高い解決策」であることは認めている。しかし、彼は「彗星であるという証拠も、まだ決定的ではない」と反論を続ける。
例えば、これまでの観測では、彗星特有のガスや塵が直接放出されている様子は明確に捉えられていない。今後、3I/ATLASはさらに太陽に近づいていく。もし本当に彗星ならば、より活発にガスを放出し、その正体を明らかにするはずだ。
宇宙船か、それともただの彗星か。この謎めいた訪問者が、そのベールを脱ぐ日は、そう遠くないのかもしれない。
参考:Daily Mail Online、ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊太陽系を“狙って”やって来た!? 恒星間天体『3I/ATLAS』は「異星人の探査機だ」とするハーバード大教授の主張のページです。宇宙船、恒星間天体、3I/ATLASなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで