★【水島貴大写真展『That Bright Planet』8月6日~18日】★
生まれ育った大田区を中心に、街とそこに生きる人を撮り続けている写真家、水島貴大。カラーで切り取られた、ゴリッとしてドープなストリートスナップから感じられるのは濃厚な人の匂い。そして、不思議なせつなさとあたたかさだ。
2017年にYoung Art Taipei Photo Eye グランプリを受賞。2018年には都市写真の世界的な巨匠、ウィリアム・クラインを中心とするグループ展のメンバーにも選抜され、初の写真集『Long Hug Town』も刊行した。そんな新進気鋭の若手写真家はなぜ路上で人を撮り続けるのか? 話を伺った。
■身近な街を歩き、人と出会い、撮る
——水島さんは大田区出身なんですね。
水島 大田区で生まれて、今住んでいるのも大田区と品川区の境目あたりで実家にも近い所。バイト先も近くです。
——普段はどういうスタイルで撮影をしているのですか?
水島 カメラはいつも持ち歩いています。週4日から5日バイトをしながら、その行き帰りもカメラをぶら下げていて、歩きながら気になる人を見つけると、声をかけて撮らせてもらっています。
——声をかけて撮ることにこだわる理由は?
水島 声をかけて、関係を作ってから撮った写真には、写真を撮ったという実感があって、被写体と繋がれたような実感を感じられた時に幸せを感じるんです。
——「被写体と繋がった実感」ですか?
水島 もちろん、撮影は一瞬のことだから、それだけで相手のことを理解できるとは思いません。けれど、その人と繋がることができた実感が感じられた時の幸福感があって、そこに依存している部分があります。反対に、相手が嫌がっていそうなのに、「この人を写真にしたら面白いんじゃないか」っていう、よこしまな気持ちがあって撮った時は反省します。