——被写体の容姿とか異質な雰囲気に引きずられて、思わずシャッターを押したくなってしまうことはありますよね。
水島 そういう思いで撮ってしまった写真は見せたくない。昔は無神経にやっていたと思うけれど、最近はそういうことはありません。
——撮影の際のルールのようなものはありますか?
水島 撮った相手が傷つくような写真、相手から何かを搾取するような写真は撮らないようにしています。一時期、フラッシュを点けてパンパン撮るみたいなことをやっていたんです。出来上がった写真の見た目は面白いんですけれど、これは僕の写真じゃない。そういう奪い取るような写真を撮っても意味がないと思ったんです。声をかけて撮った写真には、撮影した時のイメージや思いのようなものが反映されるじゃないですか。何も告げずに撮った、一見目を引く写真以上のものがあると思うんです。