自己啓発セミナー「ライフスペース」ミイラ遺体事件発覚の経緯がやばい! 「オウムよりキツい…」潜入取材した男も3日で半発狂…

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イメージ画像:「Getty Images」

 筆者自身は参加したことはないが、セミナー最終日の会場を見学したことが何度かある。いい歳をした大人たちが笑顔で涙を流しながら抱き合ったり叫んだり、下手な宗教行事よりもよっぽど異様な光景だった。

 こうしたセミナーの直後に、3か月間程度の第3段階のコース(3万円あるいは無料)が用意されている。

 自分の素晴らしい体験を友人などに勧めることでコミュニケーションの訓練をするという「勧誘実習」だ。報酬はない。ただ、セミナーの仲間たちからやたら褒めちぎられる。もちろん、友人などを勧誘してセミナーを受けさせる人数について「自己目標」という名のノルマを達成できなければ責められる。

 興奮状態の参加者たちは、こうして無償のセールスマンにさせられるのだ。マルチ商法から生まれたビジネスならではの手法だ。

 1977年に日本で最初に設立されたライフ・ダイナミックスというセミナー会社は、セミナーの進行やトレーナー(講師)のセリフなど細部にわたるマニュアルを作成した。これに従えば誰でも同じようなセミナーを主催できてしまう。オウム真理教や統一教会が参考にしようとしたこともあると言われており、薬物や暴力を使わない手法の中では、もしかしたら最も効果的で恐ろしいマニュアルかもしれない。

 2000年代にアレフ(旧・オウム真理教)に取材のため入信して修行を体験したことがある漫画家の村田らむ氏が、この手のセミナーに潜入取材をしたことがある。直後、村田氏は筆者に「オウムよりきつい」と語った。

 彼の声は、セミナーで叫び続けたせいで枯れていた。見開いた目が爛々と輝き、セミナーを批判的に語っているのになぜか終始、顔は半笑いだった。たった3日間で人間を狂わせてしまうセミナーの恐ろしさを痛感した。

 しかしその効果は長続きしない。大半の参加者は、基本のコースを終えれば二度とセミナーに関わらず、興奮は覚めていく。村田氏もすぐ正常に戻った。

 セミナー会社がほしいのは、参加中の人々が連れてくる新たな客だ。長くセミナーに関わらせて搾取するより、参加者を勧誘要員として短期間のうちに使い捨て、後腐れのない新陳代謝を繰り返す。

 ところがライフスペースは違った。

(続きは『昭和・平成オカルト研究読本』でお楽しみください)

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昭和・平成オカルト研究読本』(サイゾー)


藤倉善郎(ふじくら・よしろう)
1974年、東京都生まれ。北海道大学文学部中退。在学中から「北海道大学新聞会」で自己啓発セミナーを取材し、中退後、東京でジャーナリストとしてカルト問題のほか、チベット問題やチェルノブイリと福島第一の両原発事故現場を取材。これと並行して、2009年からニュースサイト「やや日刊カルト新聞」を開設し、総裁として活動。特に幸福の科学をめぐるトラブルや、大学生を勧誘する各カルト集団に注目して記事を執筆している。著書に『「カルト宗教」取材したらこうだった』(宝島SUGOI文庫)、『徹底検証 日本の右傾化』(筑摩選書、共著)など。


参考:『洗脳体験』(JICC出版局)、『心をあやつる男たち』(文藝春秋)、『自己啓発セミナー ― 「こころの商品化」の最前線』(新日本出版社)、ほか

文=藤倉善郎

●やや日刊カルト新聞総裁兼刑事被告人 1974年、東京生まれ。北海道大学文学部中退。在学中から「北海道大学新聞会」で自己啓発セミナーを取材し、中退後、東京でフリーライターとしてカルト問題のほか、チベット問題やチェルノブイリ・福島第一両原発事故の現場を取材。ライター活動と並行して2009年からニュースサイト「やや日刊カルト新聞」(記者9名)を開設し、主筆として活動。著書に『「カルト宗教」取材したらこうだった』(宝島社新書)
Twitter:@SuspendedNyorai

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