自己啓発セミナー「ライフスペース」ミイラ遺体事件発覚の経緯がやばい! 「オウムよりキツい…」潜入取材した男も3日で半発狂…

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昭和・平成オカルト研究読本』(サイゾー)

 5月1日に新天皇が即位し、令和の世が始まった。この歴史的転換点に合わせ、昭和・平成のスピリチュアル・オカルトをASIOS(超常現象の懐疑的調査のための会)が総括する『昭和・平成オカルト研究読本』がサイゾーから刊行された。資料的価値の極めて高い本書の中から、トカナ編集部が厳選するいくつかのエピソードを掲載する。興味を持った方はぜひ手にとっていただきたい。

【自己啓発セミナーが宗教化したライフスペース事件】

 1990年代に日本を騒がせた「グル(指導者)」といえばオウム真理教の麻原彰晃が有名だが、もう一人、99年末にほんの短期間だけ世間の注目を浴びたグルがいた。自己啓発セミナー団体「ライフスペース」の代表・高橋弘二(こうじ)だ。

 1999年11月。千葉県成田市内にあるホテルの客室で、男性のミイラ化遺体が発見された。詰めかけたマスコミを前に、高橋は「自分はグル」「サイババの弟子」「○○は定説」などとわけのわからないことを口走った。遺体はまだ生きており、警察の司法解剖によって死亡したのだとも主張した。あまりに荒唐無稽な主張に、記者会見や囲み取材を報じるワイドショーのVTRには、報道陣が失笑する声も入っていた。

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サイババ 画像は「Wikipedia」より引用

 高橋弘二は、相手の頭を手で叩く「シャクティパット」によって病気を治せると主張。この団体のメンバーが、病気で入院中だった自分の父親を連れ出し、ホテルの一室で高橋のシャクティパットによって病気を治そうとしたが、男性は死亡した。

 これが「成田ミイラ事件」の顛末だ。高橋弘二を含めライフスペースのメンバーら計11人が保護責任者遺棄致死の容疑で逮捕された。うち2人が起訴され、亡くなった男性を病院から連れ出した息子は執行猶予つきの懲役刑が確定。高橋は殺人罪で起訴され、懲役7年の実刑判決を受けた。

 この事件は、発覚の経緯も異様だった。当初は、不審な長期宿泊の客がいるとホテル側が警察に通報し発覚したと報道されたが、実際にはそうではないようだ。

 当時ライフスペースは、紀藤正樹(きとうまさき)弁護士やメディアなど、ライフスペースに対して批判的な人々を相手に訴訟を起こしていた。その訴訟で、ライフスペース側は高橋弘二がグルであり病気を治す能力があることを示す証拠として、「明らかに腐乱していると思われる死体の写真」(紀藤弁護士)を提出してきたという。高橋やライフスペースのメンバーたちは自信満々で遺体を「まだ生きている」と信じていたのだ。

 これが警察に伝わり、ホテルでの遺体発見につながった。

「グル」「シャクティパット」はオウム真理教でも使われていた用語だ。病気治しをしようとして死者を出す点も含めて、傍目にはどう見ても宗教事件と映るが、ライフスペースの成り立ちはオウムのようなカルト宗教とは少々違っていた。

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画像は「YouTube」より引用

 ライフスペースは宗教法人ではなく有限会社で、もともとは「自己啓発セミナー」と呼ばれる心理療法ビジネスをなりわいとしていた。

 自己啓発セミナーは、アメリカのスピリチュアル愛好家たちの間で人気が高かった民間の心理療法(グループ・エンカウンターや交流分析など)を、マルチ商法のセールスマン研修を請け負っていた研修業者が取り入れたものが原型だ。1970年代、こうした研修業者がマルチ商法関係者以外にもターゲットを広げ、充実した人生を送るための心理学テクニックと称してセミナーを開催する事業を始めた。これが日本に上陸し、80年代に日本のスピリチュアル・シーンで大ブームになる。

 このセミナーは、全く宗教性がない内容だ。参加者たちは数日間、通いや合宿形式でセミナー会場に缶詰めになり、ロールプレイのようなゲームや幼少期を振り返る瞑想など様々な「実習」とレクチャーを延々と繰り返す。これによって感情を高揚させられ、泣き叫んだり暴れたりし、最後は参加者同士で褒めちぎりあって、生まれ変わったような気分にさせられる。数十人、多いときには100~200人もの参加者が一つの会場で、これをやる。

 こうして自分のネガティブな固定観念や行動パターンを振り返り、それを投げ捨ててポジティブな考え方や人間関係に目覚める。そんなふれこみのセミナーだ。宗教どころかオカルト的な要素すらない。

 セミナーは主に3つのコースで構成されている。第1段階は3~4日間の通いで10万円弱、第2段階は合宿で20万円前後だ。数日間も密室で延々とこんなセミナーをやっていると、参加前には半信半疑だった人ですら最後には興奮状態で涙を流す。

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